お風呂で仲直り-5
こんな女、面倒だろうに・・・。
私は彼に会ってから、泣き顔ばっかり見せている。
私の方が年上なのに、彼に頼ってばっかり。
私の方が年上なのに、彼に守られている。
私の方が年上なのに、・・・情けない。
―――そんなに優しくしないで・・・。
しばらく彼らは黙って手を繋いでソファーに座っていた。
どれくらい時間が経ったのだろう。ふと時計を見るとすでに正午を過ぎていた。
「ごめんね、葵君。もうお昼すぎになっちゃった。」
「いいよ、奈々子さんがいればそれでいい。」
葵が奈々子の肩にもたれかかってきた。
甘えるような仕草に、彼女の胸はドキドキと高鳴ってしまう。
―――と、その時、奈々子のお腹がぐ〜っと鳴ってしまった。