プロポーズ-8
彼らのすぐ横の席にゆかりたち、高校生グループが座りだす。
あの日、ゆかりの家で会った高校生たち6人組だった。
「あれー奈々さんだ、彼氏とデート?かっこいいじゃん!大人の男って感じ!」
「奈々さんがナースだから、彼氏はドクター?」
やばい。まずい、どうしよう!!!
冷汗がじわりと額に湧き出てくる。
そう思っていると幸雄が返事をした。
「ドクターじゃないよ。ただの会社員。君たちゆかりちゃんの友達の高校生かい?」
「そうで〜す!」
「お兄さん、名前は?」
「幸雄。」
何も知らない豹介は続ける。
「幸雄さん、奈々さんにプロポーズしたんだって〜!返事待ちなんだってさ〜。」
「こらこら、みんなに言わなくていいから。」
照れる幸雄を彼らはひやかした。
「あ〜、幸雄さん赤くなってるー。」
「奈々さんどうすんの?もちろんこんなかっこいい彼氏だから即OKするんでしょ?
いいなぁ、私も結婚したーい!」
「ムリムリ!お前の手料理マズそうだし。」
「修治!あんたねーーーー!!!!」
奈々子は葵の顔が見れなくて、下を向いてしまう。