プロポーズ-3
「昨日の事、本当にごめん。悪かったと思ってる。」
「―――どうして、ここにいるってわかったの・・・?」
「・・・家に行ったんだけどいないしさ、ここ・・・奈々子のお気に入りの公園だろ?」
「別にお気に入りな訳じゃないよ。」
「でも、何かあったらここに来るだろ?」
(言われてみればそうだ、私は昔っからこの公園によく来ている。)
試験の成績が良くなかった時、就職先が決まった時、
仕事がうまくいかないで怒られた日、
飲みに行った後、友達とベンチで二次会・・・。
この公園は奈々子にとって心地よい場所だったようだ。
「そういえば、そうだね・・・。」
「そういえばって、自分で気づかなかったの?」
「うん・・・。」
「奈々子らしいや。」
幸雄はそう言うと、奈々子の隣に腰を下ろした。