元カレ-4
「やっ、やだ!触らないでよ!」
「でさ、考えた結果――お前と結婚してやるよ。」
そう言って幸雄は奈々子の唇を強引に奪った。
奈々子は必死で抵抗するのに、幸雄の力が強くてびくともしない。
「お願い、離して。私、幸雄と結婚しなくていいから!
私はもう幸雄と別れた気でいたのに・・・。今更やめてよ!」
「俺と別れた気でいたって?俺はお前と別れるなんて一言も言ってないぞ。
お前は俺と結婚したいって言っていたよな?
何だよ急に!訳わかんねぇ。
―――・・・奈々子、お前まさか他に男できたとか言わないよな?」
鋭い、睨むような目つきで幸雄は奈々子を見下ろした。
怒っている幸雄を見たのは初めての事だった。
彼女は震える身体を必死に抑えて、頷いた。
その瞬間、幸雄は奈々子に覆いかぶさる。
彼は執拗に彼女の首筋を吸いながら、部屋着に手をかける。