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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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友人の裏切り-4

「それ、絶対アンタに気があるって。」
「え…、でも。」

巴ちゃんを少しでも元気づける意味も込めて、いつものモスドへ足を運び。私の幼馴染の風馬君について語ったら、思いもよらない発言を耳にし、コーヒーカップを持つ手が
ピタリと止まり。

「だって態々アンタんとこの店に来るくらいだしようー。」
「それは久しぶりに友人と再会を果たしたから…。」
「…まぁそう言ったらそうかも知れないけど、…なーんか怪しいのよね、女の勘?」
「でも彼は私の幼馴染よ…、幼稚園小学校でも仲良くしてくれて…。」
「彼がアンタに想いを密かに寄せていた…というのは。」
「えっ!?そうなの!」

鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をする私。巴ちゃんもそんな私に「気付いてないの?」
とでも言わんばかりの顔で驚き、挙句溜息をつく、「やっぱり…」と囁き。

「彼はアンタに好意を寄せている可能性が高い。」
「…そんな、確かに彼の事は好きだけど。」
「恐らく……、奴が北海道に引っ越して来たのは偶然だろう、そこで思わぬチャンスが
舞い込んできた…。」
「………。」
「この分だと奴は次にもまた行動に及ぶだろう…。」

………刑事かっ!

「いやいや、そんな…考えすぎだよー。」
「なら良いけど、アンタ…分かってるよね?今はアンタは独りじゃない。」
「!」

独りじゃない、それは大人で言う独身ではないという意味。

「勿論だよ、彼とはただの幼馴染、それ以上の関係を持つ筈が。」
「よねー、動機も度胸も無い。」
「………。そりゃーここに来たのには驚いたけど。」
「二股何て、若葉のくせに生意気だぞ(ジャイ○ン)」

元気そうだね、良かった良かった。

「あたるの事、好きでしょ?」
「!!?」

不意の発言、二発目…。

一瞬言葉を失うが、頭をひねり…。

「大好きだよ。」
「!」

嘘偽りのない真っ直ぐとした瞳でそうハッキリ物申し。

「若葉…。」
「確かに…少し不器用で鈍感な所がございますが、とっても優しくて、それに…。」

それに対し優しい笑みを見せる彼女。

「まぁ、優しいアンタの事、その彼とも幼馴染として大事にしたいんでしょう。」
「彼だって別に巴ちゃんが言うようにストーカーでもない訳だし。」
「良いさ、もしそいつがあまりにしつこいなら私が…。」

そう言ってカップをテーブルに置く。

巴ちゃん…、気付かせてくれてありがとう。


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