痴漢-10
電車が動き出したのは、止まってから二時間も経ってからのことだった。絵理は何度も何度も輪姦され、電車が動きだす頃には、全身が精液だらけだった。
腰から上は、すでに身につけているものはなかった。それはショーツも同様で、輪姦される中で剥ぎ取られたようだ。右のニーソックスは地面に落ちているが、左だけは履いたままだった。しかし、乱暴に扱われたのか、ところどころ裂けている。
電車が動き出したからといって、絵理が解放されることはなかった。東京駅まではこの地獄が続くのだ。降りようにもドアは空かないし、男達を押しのけるだけの力は絵理に残されていなかった。
東京駅に着き、たくさんの人達が吐き出されて行く中、絵理は椅子に座ったまま動くことができなかった。そんな絵理の前に、香奈達が立つ。
「み、身の程というものが分かったかしら、絵理さん。」
腕を組み強がってはいるが、想像以上の光景に香奈達も衝撃を受けていた。
「これに懲りたら、文武相応の行動に心がけなさい。」
香奈は絵理の服の入った服を放ると、そのまま逃げるようにして電車から降りていった。
絵理は言葉を返すことも、顔を上げることもできなかった。絵理にはこれが現実でなく、夢であることを祈るしかできなかった。