初デート-2
奈々子の心臓がドキドキと高鳴る。
高校生の男の子に言われたセリフで、こんなに胸がときめくなんて。
どうかしてる・・・。
「―――もう、大人をからかわないで・・・!」
奈々子が顔をそむけようとした時、葵は彼女の手を取って自分の左胸へと押し当てた。
「からかってなんてないよ。だって、ほら、俺だってドキドキしてる・・・。」
彼の心臓の音が奈々子の手に流れてくる。
ドキン・ドキンと早い鼓動が伝わってくる。
奈々子は少し安心した。
大人びた表情の葵が、急に子供に返ったみたいだったから。
「――俺、どんなこと言っても、奈々子さんには冗談に聞こえちゃうかもしれないけど、俺は嘘言ってない。俺は奈々子さんが好きだ。」
「・・・葵君。」
「俺は奈々子さんと付き合いたいんだ。」
ストレートに葵は告白してきた。
うれしい。と思う反面、奈々子は彼の想いに答えてはいけないような気がした。
自分も彼の事がすごく気になる。
でも、出会ってすぐにエッチして、
だからそれが恋愛感情だと勘違いしているのかもしれない・・・。
それにあの夜言っていた、一目惚れだなんて信じられない。
(私は・・・私は結婚したかったから、幸雄との別れを選択したはず。
幸雄と別れて、高校生と付き合うなんて、ありえない・・・はず。)
奈々子も彼に本心を告げることにした。