初デート-12
そう思った時、玄関のインターフォンが鳴った。
時刻は17時半だった。
もしかして葵が来てくれたのかも?
そんな期待を持ちつつ、はやる気持ちで扉を開けた。
そこにいたのは、ゆかりだった。
「奈々ちゃーん、これ差し入れ。お母さんの友達がハワイ行ってきたんだって。
定番のチョコだよ。あげる。」
「・・・ゆかり・・・」
奈々子は、ゆかりの顔を見るなり泣き出してしまった。
「どうしたの?!奈々ちゃん。大丈夫?!」
奈々子は葵君だとは伏せて、今の状況を相談してしまった。
「なるほどー。それで最近、奈々ちゃん元気なかったんだね。
なんか変だと思ってたんだ〜。」
ゆかりは幸雄と別れたことをなんとなく、気がついていたようだった。
「私はその年下君と付き合ってもいいんじゃない?って思うよ〜。
だって大事なのは奈々ちゃんの気持ちじゃない?
幸雄さんの事だってさ、もし奈々ちゃんが超本気で好きだったら、
結婚じゃなくて同棲でもうれしいはずじゃない?
だから幸雄さんはそれまでの関係だったって話。
人生一度きりだよ!気になってるなら付き合ってみなよ!
で、年下って何歳なの?」