再会-6
リビングにはゆかりを含めて、高校生が6人ほどいた。
彼女がゆかり以外の高校生と話す事は、久しぶりだった。
ふと見上げると、その中にいたある一人の背の高い男の子に、奈々子は目を疑った。
(まさか・・・?)
「今日で期末試験終わったんだ〜!」
ゆかりと彼女の友達は、無邪気に奈々子に話しかけてくる。
「あー・・・、もうそんな時期だったんだね。」
彼女の思考回路はショートしそうだった。
試験なんかの事より、彼女の目の前にいる男の子の事で
頭がいっぱいだった。
奈々子の目の前に立っていたのは、先日彼女と一夜を共にした彼
そっくりだったのだ。
(まさか、あの時の葵君・・・?
でも彼は大学生のはず。
どうして高校の、ゆかりと同じ学校の制服を着ているの?
―もしかして葵君の弟・・・とか?)
「奈々さん、お仕事なにやってるの?」
「えっと、看護師・・・。」
「へーっ!すごい‼ ナース。白衣の天使!いいなあ、私も憧れるぅ。」
「奈々さん、俺も見てください!奈々さんに恋の病にかかってると思いますっ!」
「ばーっか、何言ってんだよ、修治!」
皆がきゃあ、きゃあと騒ぎあってる時、ゆかりが口を開いた。
「あ、葵は医者になりたいんじゃなかった?
なんか奈々ちゃんにアドバイス貰ったら?」