再会-3
近藤ゆかりは、奈々子の母親の年の離れた妹の子で、
今年17歳になる、高校2年生だ。
このマンションはもともと奈々子の両親が買ったものだったが、
彼女は今、ここで一人暮らしをしている。
彼女の両親は、今年から海外赴任のため家を空けている。
奈々子はしばらく帰って来れない両親の留守を守るために、
一人暮らししていたアパートから、わざわざここに引っ越してきたのだ。
ゆかりの両親は数年前に離婚して、母親がゆかりを引き取り、
奈々子と同じマンションに越してきた。
ゆかりの両親は、父親の浮気のせいで別れたらしく、
慰謝料でこのマンションを買ったと、
泣きながらゆかりの母親が奈々子にも打ち明けていた。
そんな中でも、ゆかりはひねくれることなく成長し、高校に通っている。
彼女はいわゆる“美少女”という部類で、産まれた時から既にもてはやされていた。
奈々子にとっては年の離れた妹のような存在で、
忙しいゆかりの両親に変わって彼女の面倒もよく見ていたが、
心無い近所のオジサン・オバサンから
ゆかりと自分の顔の出来を比べられていた事が、
今でも彼女の忘れられない嫌な思い出だ。
ゆかりは最近、新しい彼氏が出来たらしく、ますますその美貌に磨きがかかっていた。