出会い-17
―――早朝、太陽の日差しで奈々子は目覚めた。
そういえば、カーテンを閉めるのを忘れていたな。
眩しい、そう思って彼女が寝返りをすると、
すぐ隣に無防備で寝ている、葵の顔が目に入った。
彼女は、一気に現実の世界に引き戻された。
(そうだ!私は何ていうことをしてしまったんだ!)
奈々子は後悔の念に駆られる。
たまたま歩いていた男を部屋に連れ込んで、エッチしただなんて・・・。
彼に気がつかれないように、とりあえず服をきなきゃと、
彼女がベッドから出ようとすると、パッと手を掴まれて、
奈々子の心臓はドキッと飛び出しそうになる。
「おはよう、奈々子さん。」
彼女は恐る恐る、後ろを振り向く。
「お・・・おはよう、葵君・・・。」
奈々子はひきつった表情だったに違いない。
彼女はどんな顔をしていいのかもわからず、オロオロしていると、
そんな事はお構いなしと言うように、葵は背後から彼女を抱きしめた。
「ね、奈々子さん。もう一回、しよ。」
葵はそう言って奈々子の背中に、チュッとキスをした。
奈々子の身体がビクッと反応してしまう。
奈々子はすでにどうしていいのかわからなくなっていた。
彼女にとっての昨夜の行為は、
アルコールのお蔭(?)で出来た行動だったのだ。
「――――だ め・・。ダメ!・・・だって・・・」
「だって、何?」
奈々子は完全に、年下の葵のペースに呑まれていた。
「・・・トイレ!そう、トイレ行きたいの。」
そう言うと、彼は素直に奈々子から離れた。
「わかった、それなら仕方ないね。」
葵から解放された奈々子は、慌てて体を隠しながら洗面所へ向かう。