出会い-14
それから彼らは、奈々子の部屋へと向かった。
小雨だった雨がどんどん大降りになってきてしまったから。
いつもなら道端で出会った知らない男なんて、絶対家に上げない。
奈々子は何もかも、自分の想像を超えることをしていた。
「ねえ、あなた名前は?」
「葵。」
「葵君か。いくつ?」
「奈々子さんはいくつ?」
「えっ?女の人にそんな事聞かないでよ・・・。」
「じゃあ20歳。」
「じゃあって何よ、変わった子ね。葵君って。」
葵と名乗る青年が濡れたTシャツを脱ぐと、まるでモデルのような、
しなやかに筋肉がついた細身の上半身が奈々子の目に入った。
奈々子の身体は、彼の体をチラッと見ただけで火照りだした。
それを感じ取ったのか、葵は奈々子にそっと近づいてきた。
「奈々子さんも脱いで。」
彼はそう言うと奈々子の湿ったシャツに手をかけて、
ゆっくりとボタンをはずしながら、ついばむようにキスをしてきた。
外の雨はやみそうにない。
雨音の中、彼らはお互いの舌を熱く絡ませながら、ベッドへと移動する。