愛しい人-13
(そうだ、私はお妃様の部屋に連れてこられたんだった!)
と気がつき、すぐにティアラは母親から離れて、挨拶をした。
「あっ!申し訳ありません、お妃様!お呼びになられたのに、
来るのが遅くなってしまいました。」
ティアラは深々と頭を下げる。
そんな彼女に妃は、ふふっとほほ笑みながら言った。
「まあ、そんないいのよ。頭をあげて、ティアラ。」
するとティエラは彼女の耳を疑うことを、サラッと言った。
「ティアラ、あなたの叔母さんよ。私のお姉様なの。」
彼女は目を丸くして母親を見る。
「えっ?!」
「ごめんなさいね、ティアラ。あなたには何も話していなかったわね・・・。」
唖然とする彼女にティエラは、彼女の半生、それからこの城に来た経緯を語り始めた。
全て聞き終わったティアラの思考回路は、すでにパンク寸前だった。
(お母さんはお姫様で、私はその娘・・・?
お妃様はお母さんの姉で、私は彼女の姪っ子・・・?)
ぐるぐると頭の中で考え込む。
すると妃はティアラに近寄って、優しく手を握った。
「私はここに嫁いでしばらくしてから、私たちの王国が滅びた事を知ったの。
もう私の血のつながった家族には会えないと落胆したわ。
でも、十数年たって我が妹・・・あなたのお母さんに会えることが出来た。
私にこんなに愛らしい姪がいたなんて今まで知らなかった。嬉しいわ。」