決着の時-6
軍人たちが剣を投げた方を振り返ると、そこには先ほどまで倒れていたラウルがいた。
彼らはすぐにロイクが死んだことを確認し、ティアラとティエラの元にもやって来た。
ラウルもロイクの仲間かもしれないと疑っている軍人たちは、彼を尋問した。
「お前は何者だ?」
「・・・・・。」
ラウルは何も答えない。
「お前も見たところ、盗賊だな!よし、こいつも連れて行け!」
と隊長らしき男が言った。
ティアラはたまらずに叫んだ。
「違います!彼は盗賊なんかじゃありません!」
「では、何だ?!答えてみろ。」
「・・・狩人です。」
ティエラも彼女に賛同する。
「娘の言う通りです。私が保証しますから、彼は連行しないでください。
お願いします。」
ティエラに言われて軍人たちは渋々と諦めた。
しかし、彼もこのまま自分たちと一緒に城に来るようにと言った。
ラウルは従った。
軍人たちがこの場から去り始めたとき、ティアラはラウルに駆け寄った。
「ラウル!!!無事だったのね・・・良かった。」
「・・・良くねえよ・・お前を酷い目に合わせちまった・・・。すまねぇ。」
彼は自分を責めるように呟いた。
「私は大丈夫・・・もう大丈夫・・・だって ラウルが迎え に来てくれた から・・・。」
ティアラがそう言い終わると彼女は、ラウルと母に会えた安心感から、
フラっと後ろへ倒れてしまった。
「お、おいっ!ティアラ!!!」
ティアラは途切れる意識の中で、ラウルが自分の名前を呼んだことだけがわかった。