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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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決着の時-5

「ティエラ、やっと会えたな。お前を探し求めて、ようやく会えた。」


じりじりとロイクはティエラに近づいた。
しかし、毅然とした態度でティエラは彼から離れた。


「もう終わりよ。」

「あん?これからが始まりだろうが。俺とお前のな。」


ロイクがそう言い終わると同時に、無数の足音がカツカツカツと聞こえてきた。
何人もの人間が走っている音だ。
徐々にこの部屋に近づいてくる。

ティアラがそう思うと、すぐに部屋の扉が放たれた。
鉄砲を携えた軍隊だ。

「手をあげろ!無駄な抵抗はするな!!お前の仲間は全て捕らえている!」


軍人たちがロイクに鉄砲を向ける。
ロイクはなぜか素直にそれに従い、両手をあげて、降参するポーズを取った。
それを見届けた一人の軍人は、鉄砲を構えながらロイクに近寄る。
しかしロイクは軍人の腰に携えていた剣を奪い取り、彼を斬りつけ鉄砲を奪い取る。
そのまま他の軍人たちに向けて、鉄砲をドンっと放った。


彼の早業に軍人たちは、怯んでしまう。
気がついた時にはすでに5人ほど、ロイクに殺されてしまった後だった。
再びロイクが軍人に切りかかろうとした時、
キラリと光る刃物が彼をめがけて飛んできた。
それはまっすぐと彼の首の後ろを捉え、グサリと刺さった。


短剣が急所に刺さったロイクは、そのまま呆気なくドサリ・・・と前に倒れた。
それから彼が動くことは二度となかった。


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