ロイクの企み-1
ティアラが目を覚ますと、そこは見た事のないような景色が広がっていた。
彼女は天蓋付きのふかふかの大きなベッドに横たわっていた。
体を起こすと、みぞおちのあたりがズキズキと痛む。
殴られた腹のあたりをを触わった時、初めて自分の服が違うことに気がついた。
庶民がとても買えるようなものではない、
シルクでできたワンピースのようなものを着ていた。
(何なの、これは・・・?)
ベッドから起き上がり、部屋を見渡すとまるでお伽噺のお姫様の部屋のようで驚く。
ここは廃墟のはずなのに、どうしてこんなにここは綺麗な部屋なのか・・・?
窓からは見事な庭園が広がっているのが見えた。
(・・・私夢を見ているの・・・?
ラウルは何処・・・?探しに行かなきゃ。
やっと彼に会えたのに。
彼に会いに行かなきゃ。
でも、彼は何処にいるの・・・?)
ティアラはとりあえず部屋の外へ出ようと、扉に近づき開けようとする。
扉を押しても引いてもびくともしない。
(・・・もしかして、閉じ込められている・・・?)
今度は窓に近づく。
あの庭から外に出られるかもしれない。
そう思って窓を開けようと試みても、どうやっても少しも動きさえしない。
(どうしよう、どうやってここから出たらいいの?
ラウル、ラウル・・・。)
彼の事ばかりが頭に浮かぶ。