投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 29 あるお伽噺 31 あるお伽噺の最後へ

盗賊サミュエル-2

そんな彼女に気がついてか、サミュエルが近づき、耳元で囁いた。

「ついて来い。」

仲間たちが豪快に水浴びしている泉を背に、彼は細心の注意を払いながら歩き出した。
数分歩くと、そこには小さな泉がポツリとあった。

「お前はここで浸かれ。」

ティアラは黙って頷いた。

「今、誰もいねえから、しゃべってもいいぜ。」

と言われて、彼女は答える。

「はい。」

ティアラはもう、彼の前で裸になることに抵抗はなかった。
毎晩、毎朝 裸を見られていたから、彼も何とも思わないだろう。そう思っていた。
むしろ、また気持ち良くしてもらいたい。と心のどこかで考えてしまっていた。

彼女は覆面を取り、服を脱いで、泉に入った。
冷たい水が気持ちいい。
自然と顔が和む。


「どうだ、気持ちいいか?」

「はい。ずっと汗を流したかったから、気持ちいいです。」

「そうか。」


その時ティアラは何気なく思った。


(ここで私が水浴びしていたら、サミュエルは汗を流す時間がないんじゃないかな?)


「あの、あなたは入らなくていいんですか?」

「・・・あ?なんだお前、一緒に入って欲しいのか?」


彼女は焦る。


「いえっ、違います!!そういう意味じゃなくって・・・
私と一緒にいたらあなたが水浴びできないと思って・・・。」

「そうだな。」

「あの・・・すいません。私だけ・・・。」

「お前、俺に悪いと思ってんのか?」

「・・・はい。」


あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 29 あるお伽噺 31 あるお伽噺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前