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例えばこんなカリキュラム
【二次創作 官能小説】

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〜 社会・通史 〜-1

〜 19号の社会 ・ 通史 〜



 私の担当は『Cグループ1〜3組に属する35名×3=105名の牝生徒』だ。 と同時に、Cグループ全体に加えAグループ1組、Bグループ1組の『社会科』の担当でもある。 学園は幼年学校と違って教官ごとに専門分野が分かれており、それぞれが1教科を担当する。 例えばCグループ1組の12号教官は『国語』、2組の2号教官は『理科』というような具合だ。 『19号教官』として勤める私に期待される役割は、社会全範囲について牝生徒たちに習熟させることが第一になる。

 社会科の範囲は多岐にわたる。 大雑把に分類すると、地歴公民、科目で分けると通史(古代史)、現代、地理、政経(政治経済)、倫理になる。 Cグループ生は、初年度ということで先に挙げた5つの授業を、それぞれ比較的浅いレベルで受講することになる。 その上でBグループ生は『通史』と『現代』を細かく学習し、Aグループ生は『地理』『政経』『倫理』を細部に至るまで受講するのが、学園3年間を通じての社会学習の流れだ。 もっともストレートで学園を卒業できる生徒は稀で、大抵はAグループなりBグループなりを複数年受講することになる。

 そういうわけで、学園に入学したならば、まず最初は『通史』だ。 私の『通史』は列伝体をとる。 編年体や本紀も悪くはないが、如何せん時間がかかりすぎる。 私達が暮らす惑星の歴史を一々時系列で記述すると、ごちゃ混ぜになって何が何だか分からない。 講義している私が混乱するくらいだから、受講する生徒たちは言わずもがなだ。 

 思い起こせば私がかつて教わった『通史』も、個人の業績を随時纏める列伝形式の授業だった。 数年前のこととはいえ、生徒として受講した『通史』授業の衝撃は、いまでも鮮明に覚えている。 幼年学校で習った史実。 キラキラと輝いていた歴史上の女性たち。 頭の中で体系だてた思想の流れと時代の動き。 そういったものは木端微塵に壊された。 全て泥に汚され、知りたくもない無駄な情報で埋め尽くされた。 いや、上書きされたというべきか。 与えられた認識を拒絶し、頑なになることは許されない。 受け入れたくないものばかりが次から次へと振ってきて、目を閉じ耳を塞いでも、まるで口から肛門から流し込まれるように、身体の中に滲みこんでいった。 汚物とまじってお腹がパンパンに弾けそうになっても、誰も流し込む勢いを弱めてくれなかったので、何が何だか分からないまま、バカのように復唱し、悪戯に卑下する情報を、感情を殺して受け入れ続けた。

 今では私も『流し込む側』の人間だ。 そうしなければいけないことを理解し、そうしたいと思って教員になった。 受講する生徒の感傷など、現実を前にすれば価値はない。 私の下で成長する牝達にはどんな手段を用いてでも、一刻もはやく自分たちを正しく認識してもらう。 歴史も科学も哲学においても。 正しい自己認識の涵養に勝る教育など、この世界には存在しない。

 古代史を貫く真実とは、

『歴史をつくった知性は殿方に属し、女性は繁殖のみに寄与した』

 ということ。
 全ての女性は悪戯に歴史を後退させたのみ。 即ちその血をX染色体に刻んで受け継ぐ私達も、等しく歴史に貢献する能力をもたない。
 



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