you-1
「教会に書いてあるんだろ?・・・答えは、愛だな。loveだろ?」
「ふふ。違います」
「はぁ?キリスト教だろ?愛じゃないの?乃恵はいつも愛愛って言ってるだろ」
そんな俺の言葉に小さく笑って。
「私も愛だと思いました」
「だろ?愛じゃなかったらなんだよ?愛以上に大切なものがあるってこと?」
「you・・・あなたです」
「え・・・・」
「あなたが居なければ私の「愛」さえ生まれません。
あなたがいなければ私の「喜び」も生まれません。
世の中で1番大切なのは「あなた」です。
って意味なんだと、私は解釈しています」
「・・・・」
「この場合のyouは親だったり、兄弟だったり、恋人だったり
子供だったり、友人だったり・・・いろいろだと思います」
「うん」
「私も愛だと思いましたけど、愛も、その対象がいなければ生まれませんよね。
だから。「愛」と同じぐらい「あなた」って素敵な1言だと思いませんか? 」
「あぁ・・・愛ももちろん大切だけど。
乃恵がいなければ、俺の愛はこの世に存在しない」
「岡部先輩」
「乃恵。愛してるよ」
俺たちはぎゅっと抱き合った。
愛って言葉は自然に心から言うことが出来た。
きっと、誰にでもそれぞれ大切な「あなた」がいて
俺にとって大切なあなたは乃恵なんだ。
乃恵。愛してるよ―――永遠に、愛してる。