要一-1
今回は37歳年上の人との思い出。
あたしが要一としりあったのははるか昔、あたしが7歳の頃だ。それもそのはず、要一はあたしの幼馴染である玲子の父親だから。母親が出て行ってしまったあと要一は再婚することなく玲子を一人で育てた。
要一は消防士だった。勤務が不規則らしく、あたしが小さいころ玲子の家に遊びに行くとたまに要一がいた。今から考えれば夜勤明けでとても疲れていたはずなのだが、要一はいつもあたしたちと遊んでくれるいいパパだった。週末にプールに連れて行ってくれたりもした。
あたしは要一がパパな玲子がうらやましかった。消防士だけあって鍛え上げられた体はまさに強い父親のモデルだった。遊びに行っていないといつもちょっとがっかりしていた。
しかし中学になり、要一の転属が原因で玲子は違う学校に行ってしまった。最初はさみしかったが、あたしも子供だったしすぐに忘れた。
その後高校に入り、初体験も済ませ、大学に入り、司や高志との刺激的な日々もあり小さいころの思い出がおぼろげになりつつあったある日、あたしは偶然要一を街で見かけた。
白髪になっていたが、一瞬で分かった。背は高くないが引き締まっていて、なにより姿勢がいい。優しい目つきもそのままだった。
「もしかして、山岸さん(彼の苗字)ですよね?」
「あれ!もしかして結ちゃん?!」
「あ、わかります?」
「わかるよー!とっても美人さんになったね!」
「そんなことないですよー!お久しぶりです!」
あのままの玲子パパだ。あたしは懐かしさで一杯だった。その日はそのまま一緒にコーヒーを飲み別れた。
それから1週間後、私たちはまた再会した!今度は全然違う場所で。電車で席が隣だったのだ。そしてさらにその3日後。今度はラーメン屋で偶然。要一は冗談めかして「なんだ、運命みたいだね」といって笑った。
あたしはそれをきいてドギマギしてしまった。要一は深い意味はないと平謝りだったが、あたしがドギマギしてしまったのには違う理由があった。
実は再会してからというもの、オナニーをするたびに要一を想像していた。別に年上好きでもないけれど、いつもバイブを突き入れ、果てそうになり歯を食いしばると、いつも彼の顔が浮かんでしまった。どんな根を持ってるんだろう、どんな風に愛してくれるんだろう、どんな顔で果てるのかな、深くまで突いてほしいな…などと思いながらあたしはいつも自らを絶頂させた。
だからそのときもそのいやらしい自分を見られた気がしてしまったのだ。そしてちょっと興奮した・・・
「謝らないでください!あたしも山岸さんにこんだけばったり会えるのって嬉しいですよ!」
「そんなそんな、でもしかしよく会うよね・・・」
「ね、もうこうなったら、連絡先とか交換しちゃいません?」
「いいのかい?」
「はい!今度ゆっくりお茶しましょう!」
あたし達は1週間後の彼のお気に入りの喫茶店で会うことになった。