餓えた女…、熟れた肉体-1
あの飲み会以来約半年、紗英は健太郎の事を以前に比べ物にならないぐらいに意識するようになる。朝イチの掃除で健太郎のそばに行く度に胸を高鳴らせる。何気ない挨拶だけでも一日の活力になる。仕事中もデスクワークする健太郎をチラチラと見ては(カッコイイな…)、と思うようになる。真剣に仕事に打ち込む健太郎の姿にまるで乙女に戻ったかのような新鮮な胸のトキメキを感じた。
健太郎を頻繁に見るようになり気付いた事がある。それは自分と同じく健太郎に視線を送る女性社員が多い事だ。そして健太郎が女性社員を連れて事務所を出て行く姿も目につくようになる。健太郎と話している女性社員達はみんな目をときめかせている。
(だよね。モテるよね…。みんな私なんかよりも全然若い子ばっかりだし。私なんかよりも丹野さんだって若い子の方がいいに決まってるよね…)
いつもそう思う傍ら、あの飲み会で自分を褒めてくれた健太郎の言葉が忘れられない紗英。朝の掃除の時に近くに寄れて少しでも会話できるだけで満足だった。
午後に紗英がトイレから出ると、外回りに出かける健太郎と顔を合わせた。
「気をつけていってらっしゃい。」
笑顔を浮かべた紗英に健太郎は立ち止まり話す。
「藤間は終末の社員旅行行くの??」
今週末、週末を利用して社員旅行がある。年に一度の旅行だ。たいていの社員は出席する。
「あ、うん。行くよ?」
「そうか。楽しみだね。」
「うん。」
そんな会話を交わして健太郎は出かけて行った。
(また丹野さんとお酒を飲みながら話せるといいな…。)
何度健太郎に抱かれる妄想をした事だろうか。明日誘われるんじゃないか、明日誘われるんじゃないかと思っている内に進展のないまま半年が過ぎてしまった。健太郎の言葉によって生まれた自信も少しずつ失って来た頃だ。また健太郎に褒められて自信を取り戻したく思っている。そんなしおらしい紗英に対し、健太郎はその社員旅行でいよいよ紗英と肉体関係を結ぶつもりでいた。
(くっそ!やっぱエロい女だぜ!あの匂い…、マジたまんねぇ。そのまま便所に連れ込んで俺の便器にしたいぐらいだ。でも我慢だ。いよいよ社員旅行だ。とうとうあの女を犯る時が来た!へへへ、早く犯りてぇぜ!)
健太郎は以前からこの社員旅行で紗英を抱く事を決めていた。紗英の私物でのオナニーに飽きてきた頃である。気分的にも肉体的にもいよいよ忍耐の限界というものがやって来たのであった。