4-1
「眠たいよぅ……」
春斗の胸の上で朱莉は大きなあくびをして、涙のにじんだ目を擦る。
「朱莉さん、朱莉さん、寝る前に俺の拘束を解いてほしいんですが……」
「腕ぐらいそのままでいいじゃん」
「いやいや、喉乾いたんですが。それにアレの処理もしたいし」
「しょうがないなあ……はい」
拘束を解いてくれるのかと思えば朱莉は春斗の口を唇で防ぎ、春斗の口内へと自らの唾液を流し込む。春斗の味覚は正確に作動して、甘味を脳に伝えた。
「いやいやいやいや、困るって!」
「わかった、わかった。耳元で喚かないでよ」
けだるそうに起き上った朱莉は春斗の両腕の戒めを解くと、またもや彼の身体にのしかかる。
「水分補給させてよー! 脱水で死ぬーっ」
もはや反応も返さなくなった彼女を優しくベッドの脇に寝かせて布団をそっと掛け、春斗は自分のを処理してから、台所へ歩いて行った。