3-4
「今度は私を気持ちよくして……」
立膝で身体に跨った朱莉が迫ってくる。どちらかの手の拘束を解いてくれるのかなと、春斗は予想したが、その予想はまるっきり外れた。
「えぇ!?」
朱莉は春斗の顔面にまで進むと、呼吸を圧迫しないギリギリの位置まで腰をゆっくりと下ろした。思わず春斗は驚愕の声を上げるが、朱莉は気にもせずに言葉を続ける。
「私が、気持ちよくなるまで舐めて」
「……はい」
力なく返事をして、春斗は舌を限界まで伸ばして、彼女の秘所に舌を這わせた。
「うあ、あ、あン」
上からかすかに嬌声が聞こえる。一度は射精に至り、冷却中であった春斗の性欲を、否が応でも湧き上がらせる。
「はぁっ、は、春斗くん、気持ちいいよぅ」
四肢を拘束された春斗にとって自由な部分は首と、舌の二か所だけである。どうせならその二か所をフルに活用して朱莉を悶えさせてやろうと春斗は考えた。なんだかんだ言っても、春斗の方も高揚感が優勢のようだ。
「うにゃあっ……んんっ、うん、あんっ、ふああ!」
ぴちゃぴちゃとわざと下品に音を立てて朱莉の秘所を舌で犯す。これが春斗に出来る精一杯の反撃だった。
「あああっ、ひあっ、うう……気持ちよくっ、なって……きたぁ」
今度は跨がっている朱莉の腰がガクガクと震えはじめた。春斗は仕返しとばかりに舌がしびれるのも構わずに動かす。朱莉の溢れだす愛液が雫となって春斗の顔面に落ちるが、それは春斗の皮膚に冷感となって感じさせたが、同時にご褒美でもあった。
「うんんんっ、い、イキそうっ、は、春斗くんっ、気持ちいいっ」
朱莉は自らも腰を前後に動かして快感を高めていく。
「くあああっ、ッつ、い、イクッ、春斗くん、イクよっ! うにゃああああああああッ!」
ビクンッと大きく跳ねて朱莉は後ろに倒れ込む。ちょうど春斗の腹に朱莉がのしかかる形となった。腹部に突然の重圧を受けて春斗は咳き込む。その上に乗る朱莉は荒い息を繰り返している。その身体は時折大きく、そして大半は小さく、大き目な胸を揺らして痙攣している。
「はぁっ、はぁっ……えへへ、春斗くん」
「なに?」
「とっても気持ちよかったよ……ちゅっ」
朱莉は息切れを起こしながらも身体を起こし、春斗に抱き付いて、そして唇を重ねる。