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【スポーツ 官能小説】

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〜 土曜日・宣告 〜-1

〜 29番の日曜日 ・ 宣告 〜
 


 先輩にふっかけられた無理難題は、例によって22番さんが解決してくれた。 口から消化粉を吐きだすことで、消火器を演じる姿。 あとに続いた私達は、例えば頬を膨らませたり、ホースを挿した鼻孔を押し広げたりとアレンジを加味することで合格を貰った。 

 部屋で僅かに休息し、現在、食堂にて夕食に至る。

 私は習ったばかりの『椅子』として、床にブリッジを作っていた。 お腹の上にはB29番先輩が腰かけ、黙々とオートミールを口に運んでいる。 机の上、先輩用のお皿の隣には盥(たらい)が
あって、ホースがちゃぷんと浸かっていて、片方の先端は私が咥えていた。 水槽の水を移す際と同じサイホンの原理で、流動食がとめどなく喉に流れ込んでくる。 私は喉をグビグビいわせながら、他の椅子役のクラスメイトと同じように、味がしない食事を強制的に取らされ続ける。 無理な姿勢で2リットルばかり飲まされ、これ以上はお腹に収めきれない、あと一滴流されれば戻してしまうところまで迫った頃、ようやくサイホンが盥の底をついてくれた。

 シーン。 

 とっくに食事を終えたBグループの先輩たちも、膨らんだお腹で先輩のお尻を支えている私達も、御馳走様の挨拶をAグループ生が仕切るまで静かに待つ。 この1週間で学んだ寮の作法の1つだが、Aグループ生が指示を出すまでは身じろぎ1つ許されない。

 いつもなら寮長が自分の席から『御馳走様』の号令をかけるのだが、この日は違った。 私達は椅子として机の下で身体を支えているためよく見えないが、どうやら私達の前に立つ気配がした。

「新入生のみなさん。 1週間、本当にお疲れさまでした。 みなさんの頑張り、寮へ馴染もうとなさって取り組む姿は、まさに今素敵な椅子になってくださっている様子も含め、しっかりみさせていただきましたわ」

 やや癇ばしった声が食堂に響く。 

「朝の挨拶やお風呂のマナーも、ある程度形になってまいりました。 学園の講義に遅れた生徒もいらっしゃらないと聞きますし、補習も無事その日のうちに切り上げたということで、まずまず順調な滑り出しといえるように思います。 正規の講義が始まれば、学園のリズムに慣れるまでそう長くはかからないでしょうし、この1週間と比べれば幾分気楽さも増すでしょう。 心配なさるのも結構ですが、気持ちを楽にするのも1つですわ。 何しろ1人も脱落していない時点で、みなさんの学年は本当に順調といえるんですもの」

 順調……? 
 いったい、こんな生活のどこが順調だというんだろう?? 入学してから1週間、ずっとビクビクみんなの様子を伺って、それでも2号教官に目を付けられて。 初日なんて、自分のウンチをホースで流し込まれるところまで追い込まれた。 30番さんが助けてくれたから、こうして何事もなかったようにここにいるだけだ。 一歩間違えばアソコで私の一生は終わっていたと思う。

 そんな私のささくれだった気持ちはどこ吹く風、寮長の声は憎らしいくらいによくとおる。

「ただし、残念ながら、まだ皆さんは正式に史性寮の1員とはみなせません」

 スッ。 声から柔らかいトーンが消える。

 一員では……ない……?
 初日に恥ずかしい宣誓をして、目標をたてて、それで新入生として認められたんじゃ……?



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