GoodMorning,Darling!-1
「…おふぁよ、ノリ」
私の隣でユウがモゾモゾと動いた。声が寝起きのトーンだった。
「ぉはよ」
「…先に起きてた?」
「うん」
私はベットから出て、ササッと服を着た。いくらユウの前でもハダカを見られるのは、恥ずかしかった。
「じゃ私、もう行くね」
「じゃぁな」
「うん。行ってきます」
私はユウを残して、大学に行くために部屋を出た。
私はユウと別れてからもう1年になるのに、未だにセックスをしている。
別れたのが去年。それでも、体だけの関係は続いている。
何故だか。
別れを切り出したのも、別れて尚、求めてきたのもユウの方なのに。
私はユウのことを真剣に好きだったのに。
なのに、いや、だからこそこの中途半端な関係を断ち切れないでいた…。
「ただいまぁ」
夕方、朝出た部屋に帰って来ると、もうユウは大学から帰っていて、ふわっとカレーの匂いが漂ってきた。
「おー、ノリ」
ユウが鍋を覗き込みながら、オタマで鍋の中を掻き混ぜていた。
「…カレー?」
「おう、お馴染みのベーコンカレーだ」
「それ好きよ、私」
ユウの少し子どもっぽい笑い顔につられて、私もニコッと笑ってしまった。
一一でも、食べた後にあの流しの後片付けを私がしないといけないと思うと、うんざりしてしまう。
それでも、ユウの特製ベーコンカレーはおいしい。
ユウが私を想って作るそのカレーは、恋人だった頃から全く変わっていない。
私は、好きだった。
「いただきます」
「いただきます」
ユウと向かい合ってカレーを食べる。
私たちは二人とも食べる時は黙々と食べるタイプだ。テレビ番組の笑い声だけが部屋に響く。
「…ごちそうさま」
「もう食べちゃったの?」「ああ。ノリはゆっくり食べろよ」
「うん」
食べ終えたユウは、テレビのほうへ目を向けた。タレントの話に小さくハハハ、と笑っている。
一一何故か私は、そんなユウを見ているとある事を試してみたくなった。
黒いもやもやとした感情が沸き上がってきた。
「ね、ユウ。話あるんだけど、聞いてくれる?」
「おー、何だ?」
「私、好きな人ができちゃった」
「一一一一」
ユウの表情がピクッと引き攣った気配がした。
一転、真剣な雰囲気に変わる。
「相手はね、おんなじ大学の学部の人なの」
「……ふ〜ん」
「話っていうのは、この事。…私、ユウとのこういう関係を終わりにしたいの。いつまでもこんな関係…セフレだったら、お互い前に進めないでしょ」
「…………」
「だから今夜で全て終わりにしない?」
「……ノリが言うんじゃ、仕方ないな。…わかった」「…ありがと…」
ユウの考えている事が、わからない。
やり直そうとは言ってくれなかった…。
ただセックスしたかっただけなの?
淋しかっただけなの?
どうしてなの?
「んっ…」
ユウが私の胸を揉み上げながら、激しくディープキスした。
舌を絡めたり、歯茎を舐め会ったりしていると口の中は唾液が溜まっていくから、私は頃合いを見て飲み下した。
「んっ…ふっ」
口を離すと、唾液が一筋糸を引いた。
「最後なんだな…。ノリとこんな事するのも」
「そうね。最後…」
ユウの手が脇腹、腰、ふともも、内股をさすっていく。手が恥丘にたどり着くと、私のそこの毛をサワサワと逆立てた。
ユウのその手つきがなんとも言えず、エロチックさを感じた。
そして、ユウの指が敏感な突起を摘んでクニクニと動かした。
「あぅ…」
「気持ち良いくせに」
ユウは、私の乳首に舌を這わせた。
「もおっ、どうしてそういう事言うのよぉ」
私は少し怒ったようにして言い返した。けれど、乳首からの刺激に私は甘く鳴いてしまい、効果は無くなってしまった。
チュッチュッとユウが乳首を吸う音さえも、私を興奮させる。
ユウは溢れ出たイヤラシイ粘液を私の大きくなった突起に塗り付けた。
「ひゃん」
ユウはそのまま突起を押し潰すように、愛撫する。
そして私の側に横になって、今度は耳に舌を這わせ始めた。