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【スポーツ 官能小説】

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〜 土曜日・測定 〜-1

〜 2号の土曜日 ・ 測定 〜



 多少の想定外はあれ、みんな予想していたようだ。 学園の身体測定が、自分たちが幼年学校時代に経験した測定の範疇におさまるわけがない。 初めて経験する測定であっても、悲鳴をあげたり躊躇ったり、そんな醜態はどこにもない。 誰もが唯々諾々、或は淡々と指示に従っている。 
 今年の新入生は、私の担当を含め、今のところ従順に躾けられているといえるだろう。

 体育館のグランド側では『体長』を測定していた。 生徒は首輪と登校服のみ身につけていたが、ここでは服を脱いで台に登る。 測定係が首輪のロックを外し、測定機器を操作するにあわせ、生徒たちは測定係が呟く測定項目と数値を大声で復唱しなければならない。 首輪には音声認証機能があって、持ち主の声紋によってデータが上書きされるようになっている。
 『体長』に属する項目は4つだ。

『爪先からつむじまで、身長、162センチ5ミリ!』
『爪先からピンコ乳首まで、パイ長、122センチ6ミリ!』
『爪先からチツマンコまでッ、マン長、92センチ8ミリ!』
『爪先からケツマンコまで、ケツ長、94センチ丁度です!』

 声が小さいと首輪は反応してくれない。 体育館中に響く大声で、自分の恥部を示す数値を何回も何回も叫ぶことはザラにある。 

 『体長』の隣では『座高』をはかっている。 学園では『座高』ではなく『ケツ高』と呼ばせているこの数値の測定もまた、幼年学校とは趣が違う。 膝を揃えて座るのではなく、股間を真っ二つに裂くまで両足を開き、背筋を反らして胸をはった姿勢での測定。 座高と同時に、

『オケツの穴! 体幹基準、右に2ミリ、前に3ミリ!』
『マンスジ、体幹基準、右に傾斜角3度!』
『ヘソマンコ、正中線より右に3ミリずれています!』

 生徒たちの身体を通る重心の位置、骨柄のバランス、各器官の位置を克明に記録する。 こうして生徒の身体は数値化され、生命体からただの有機物へと人格が削がれてゆく。

 『座高』に続いて、巻尺をもった測定係が忙しそうに働いていた。 尻周り、腰周り、胸周り……手際よく巻尺を肌に這わせて一周の長さを計測している。 過去に衣類の参考にした、H(ヒップ)、W(ウェスト)、B(バスト)の数値は、けれど学園ではただの記号以上の意味は持たない。 なにしろCグループ生に下着の着用は認められない。 上級生になっても衣服は与えられるものだが、与えられたものを身につけるだけで、自分で選ぶものではないからだ。 それでは何のために測定するかといえば、日々の成長や体格の変化を自覚し、より目的にそった身体をつくるためといえる。

『オケツ周り、82センチ!』
『あのっ、こ、腰マンコ周り、59センチ!』
『ち、チチマンコ周り、85センチです!』

 測定係は各種項目を規定にそって呟く。 続いて被験者が大声で復唱する。 こうして様々な呼称で自分の恥部を叫ぶことで、新入生の語彙は少しずつ増えてゆくのだ。 私は『チチマンコ』なんてあからさまな表現よりは『ミルクタンク』をよく使う。 用途に限定した呼称の方が乳房がもつ神秘性を無視していて、価値を貶めているからだ。 とはいえ生徒は常に相手の意図を忖度(そんたく)しなければいけない。 中にはひたすら下品に『チチマンコ』と叫ぶ生徒が望まれるような、そんなケースもあるだろう。 チチマンコという呼び名を否定するつもりはない。

 体育館のステージでは、大小様々な『発条(バネ)ばかり』が準備してあった。 もっとも大きな『バネばかり』のフックを鼻にかけられた生徒が、爪先だちで震えている。 バネはどんどん上昇し、ついには生徒の身体が浮いた。 つまり鼻フックだけで全身を吊るされたわけだ。 

『た、たいひゅう、44きろと500ぐらむれすぅ!』
『な、なんれ……た、たいひゅう44きろっ、500ぐらむぅ!』
『ううう〜〜もうらめ……ひれるぅ〜〜ッ』
 
 涙が混じった鼻声で絶叫しているのは、あれは私のクラスの17番だ。 さっきから何度も同じ数値を叫んでいるところから察するに、鼻筋が伸びきって滑舌が澱み、首輪に認証してもらえないのだろう。 といって測定係は慣れたもので、鼻骨が限界になるギリギリで保っているから、鼻が裂けることもない。 要するにしっかり発音する以外、次へ進む方法はない。 体重を秘密にしたいという、小さな羞恥心ごときとうに雲散霧消しているだろう。



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