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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 金曜日・牝牛 〜-2

 特に3段締めでさいなむ乳肉リングに悶えさせられながら、そしていつまでたっても発射の気配を見せない母乳を吸われつづけながら(妊娠していないのだから、そもそも私達から母乳が出るわけがない)私は四つん這いで耐え続けた。 このまま頑張れば7限が終わる。 そうすれば、少なくとも今日はもう、2号教官に虐められることはない。 

 やがて乳房から器具を外してくれた。 その際は、私たち全員が『これだけ絞っても一滴の母乳も出せない脂身』『大きいだけの、みっともない駄肉』と罵られ、激しいビンタを両頬にもらった。 本当なら頬を張られた痛みに涙をこぼすところだが、ミルクタンクへの責めが厳しすぎたので、頬を張られても悔しいどころか嬉しかった。

 それから私達は雌牛の咀嚼行動を学んだ。 牛は胃袋を複数もち、繊維質の牧草を生の状態から綺麗に消化するべく、何度も反芻してから順番に胃袋へ収めるという。 私達は胃袋は1つしかないが、反芻はできるというわけだ。

 首枷で固定された私たちの前に、握りこぶし大の草ボール――私が名付けた。 その名の通り、単子葉植物の雑草を編んでつくった球体――を差し出す教官。 ということは、つまり『食べろ』ということだ。 顎が外れそうになるくらい大きく口を開き、ようやく草ボールを口腔に咥える。 噛もうにも顎が開きすぎて、アグアグとかすかに歯をたてるくらいが関の山だった。

 全員が草ボールを咥えたところで、教官から、

『噛みなさい。 そして全部呑み込むこと』

 と指示がきた。 こうなっては噛まないわけにはいかない。 顎関節を軋ませながら、私は必死に草を噛んだ。 一本一本の繊維が水気を含んで噛み切れず、草特有の青臭い香りが鼻孔まで溢れる。 それでも顎が動くたびに草ボールがほどけてゆき、やがて全部を胃の中に納めることができた。 ホッとして教官を見たちょうどそのとき、

『吐きなさい。 ただし口からは出さないこと』

 新しい指示。 自分に課せられた役割が牛だったので、予想はしていた。 草を何度も噛み潰す牛のように、私たちにも『反芻しろ』といっている。 指が使えれば喉の奥をついて、オエッとすることができるのだけれど、今は手も枷に嵌っている。 頭の中に気持ちが悪い映像を映し、無理に胃へ流し込んだばかりの草を出すしかない。 幸い、吐気につながる映像は脳内に様々なバージョンをストックしている。 汚物、汚水、排泄、排尿etc…。 

「ウエッ……オウェっ、エェッ、エレエレエレ……ッ」

 甘酸っぱい胃酸をまぶしたしょっぱい草。 食べた時点よりも胃液の分だけ膨れた草が、食道を通って口腔を充たす。 このまま吐きだせればどんなに楽かしれないけれど、私たちは口の中で噛み直さなくてはいけない。 教官が『口を開いて舌を出せ』というので、草ボールを吐瀉したものを口に含みながら、舌を伸ばした。 緑と黄色が混じった液が舌にのっているのを確認すると、教官は『呑み込め』と命令する。 素直に従う私たち。 もともと胃液が強すぎて口が痛くなっている。 吐瀉物ゆえに不味さは半端ないが、口の中で味わうよりも一息に呑み込んだ方が随分楽だ。

 そうしておいて、呑み込んだ証拠を見せろという。 口を大きく開けて舌をだし、一節の草も残っていないことをアピールする。 すると……またしても『吐け』という命令。 なるほど確かにその通りだ。 反芻は『何十回となく食べ物を胃から口まで往復させる』ことなわけで、食べて、吐いて、食べて……で終わるわけもない。

 オエッ、クチャクチャ、ゴックン。
 オエッ、クチャクチャ、ゴックン。
 オエッ、クチャクチャ、ゴックン。

 吐くたびに原型を失って液状化する草を噛みしめながら、私たちは何度も何度も咀嚼した。 そしてその度に気持ち悪い液体を呑み込んだ。 同じ回数だけ、無理矢理胃の内容物を口いっぱいにぶちまけては頬張った。 口に隙間があるとドロドロの緑汁が零れるため、唇を巻き込んで隙間をふさぎ、口を閉じたまま顎だけでもってカミカミする。 

 クラスメイトが反芻する様子を横目で確認した。 誰もが意識したわけでもないという思うけど、びっくりするくらいみんな揃って、本物の雌牛にそっくりだった。



 犬、馬、鶏、牛……連続してヒト以下の存在に身を窶したことで、僅かに残っていたプライドがどこかにいってしまったのだろうか……いや、きっとそうじゃない。 火曜、水曜、木曜、金曜と続いた4日間のカリキュラムを終えつつある現在、私たちに『牛のフリ』をすること程度、躊躇う理由なんてない。 この4日間の経験は、私達Cグループ2組一同の、僅かに残った自尊心を根底から奪ってしまったんだと思う。 

 これから寮に戻って、食事をして、お風呂にはいって、ぐっすり休んで。 
 また朝がきて、『ご挨拶』をして、食事をして。 
 大切なものを無くしたとしても、私達には平等に新しい一日が訪れる。


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