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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 金曜日・尻尾 〜-2

 基本的に、喜怒哀楽といいながらも、教官の要求は『喜』ばかりだ。 やれ『上品に喜べ』だとか『全身で喜べ』だとか、挙句に『元気に喜べ』『控えめに喜べ』『淫らに喜べ』などと、好き勝手なことをいう。 怒りや哀しみはどこにいったのか訝しむ余裕はなく、不思議にも思わなかったが、もしかしたら『犬』たる私たちは『何をされても喜ばなくてはいけない立場』なことを、言葉より雄弁に教えてくれたのかもしれない。

 『上品に喜べ』といわれたときは、尻尾を静止したままお尻を振った。 つまり、腰をねじって尻たぶを前後に傾けつつ、肛門の位置は動かさない。 左右の尻たぶに力を込め、その場で足踏みするようにお尻を振る。 すると尻尾を中心にお尻が回転するような、そんな動きになるわけだ。 22番さんを真似ているだけなので、この動きのどこが上品なのかは説はできない。 如いていえば、22番さんのお尻は、肛門の周囲がこんもりとなり、厭らしさよりも逞しさが感じられた。 キビキビしていたし、それが上品なお尻の振り方のコツかもしれない。

 『全身で喜べ』では、お尻を『∞の字』に大きく振った。 端で止める尻振りを『一文字振り子』とすれば、これは延々止まらず動く走馬灯だ。 尻に引っ張られて尻尾がたなびき、尻肉の上に尾が重なったり、床スレスレを掃いたりと、激しく動く。 お尻を大きく振るためには身体ごと尻を回さねばならず、まさに全身をつかって尻尾を振った。

 『元気に喜べ』といわれた時は、ほとんどの生徒は当惑して動けずにいた。 真似ようとする22番さんも動きだせずにいたので、私もどうしていいか分からばい。 結果ジッ動けずにいたせいできついパンチを2発貰った。 ほとんどの生徒が打たれる中、自分がぶたれる恐怖だろうか、ぷるぷる震えながらお尻を揺らす30番さんがいたが、パンチは彼女の小ぶりなお尻をぶとうとはしない。 それを見て、私も30番さんのように、小刻みにお尻を震わせながら、左右に振った。 振動する尻尾は上手く揺れてはくれなかったけれど、教官の期待にある程度応えられたのだろう、更なるパンチは許してくれた。

 『淫らに喜べ』は、なんとなく腰を上下に振ってみることで乗り切った。 尻振りといえば左右だが、厭らしいとなると、私のイメージは床に挿した張り型を膣で咥える光景だ。 腰を落とし、想像上の張り型に膣をあてがう。 クイクイと尻肉だけを上下させ、先端を咥えては抜き差しする。 昨日の自慰であれば、ちゅぷ、ちゅくと蜜が絡みつくだろう。 尻にあわせてゆっくり上下する尻尾たち。  激しく尻を上下させる生徒もいれば、焦れるくらいゆっくり振る生徒もいる。 私のように腰を固定してお尻だけを動かす生徒がいれば、背中を大きく逸らすことでダイナミックに縦に動かす生徒もいる。 上下に加えて前後の運動を加味し、後ろにお尻を突きつけるタイミングで尻尾をパタパタやる生徒は圧巻だ。 身体が柔らかい上にバランスもよくて、筋力もあるからあんな無茶な姿勢でぷりぷりと尻尾を振ることができる。 少なくとも私にはダメだ。

 パァン、パァン、パン。

 定期的にパンチが弾ける。 

 『ステイ』『おすわり』『チンチン』

 喜び方が変わる合間合間に指示が飛ぶ。 既に2時間たっぷり酷使した上で、休憩なんて一瞬もない。 お尻を振ることがこんなに大変だとは思わなかった。 常に両手両足が床についているからバランスはとりやすい。 とはいえ人目にお尻をアピールするには、どうしても無理な体勢までお尻を動かさねばならず、お尻についた脂肪の重さを支えるだけで、特に腰にピリピリくる。 ところが腰を少しでも庇おうものなら、見越したようにパンチが飛んでくるから怖い。 私は運よく4発のパンチで赦してもらえたけれど、多い子は20発以上ぶたれている。 そんな子はお尻全体が真っ赤に腫れて、犬というよりおサルのオケツになっている。

 そんな中、私は或る事に気づいた。

 私たちは犬の素振りをさせられて、犬として躾けられて、犬として痛みを与えられている。 そこに心地良さなどあるはずもなく、まして性感を刺激する要素なんて有り得ない。 ということは、私たちの膣は、痛みと屈辱でカサカサであってしかるべきだ。 ところが実際はどうだろう。 私の目に入るクラスメイトは、一人残らず陰唇の隙間から湿った肉壁をはみださせている。 中にはポタポタと恥ずかしいオマンコ汁を滴らせている生徒もいる。 他ならぬ私自身はといえば、確認せずとも、股間を捩るたびにクチュクチュと湿った水音が体内に響く。

 犬扱いされて、性感を得ているのだ。
 私たちは感じている――少なくとも私はそうだ。

 無様な行為であろうと、不条理で悔しい扱いであろうと、感じてしまえば受け入れたのと同じだと思う。 口で拒否してみたところで、身体が肯定してしまえば、つまり心で受け入れたことになるんじゃないか? たった数時間で、犬扱いされることを受け入れてしまう惨めな人間……。

 2号教官が淡々と下す一連の指示に従いながら、私は急に視界が曇ったような、そんな気がした。


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