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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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交際-7

「何も、あそこまで……。」
「柊さん。」

滑らかな風が、俺達を包み込む。

「だけど、泣いてたろ?君…。」
「私は……ん。」

否定…のちの肯定。

「ゴメン…俺ってば。」
「そうですわよ、彼女達だって本当は。」
「いや、そうじゃなくて。」

優しく鈍感な彼女は俺と話が噛み合わず。まぁ確かにさっきの女共もバスケの試合を見に
来てくれたのだろうけど…、今じゃ俺の大事な人を傷つける、敵だ…。

「全然気付いてやれないで、こんなモノで彼氏面して…さ。」
「それは…。」

昨日デパートで買ったドーナツ型のストラップ、それをポッケから力なく取り出し。

「欲しい訳…ないよな、こんな鈍感な男からのプレゼント何か。」
「佐伯…君。」

出したストラップを下げようとしたら、彼女がそのストラップに触れ。

「そんな事、ありませんわ。」
「!!」
「もし私の彼氏に相応しくなかったら、そんな風に思い悩んだりしない。」
「でも。」
「恋愛は常に間違えるもの…、ぶつかって悩んで考えてなんぼ、です。」
「……。」

柊さんの言葉に、思わず言葉を失う…。

「一人で思い悩まないで下さい、私だって責任はあります。」
「え…。」
「この前、登校中に言い掛けていた事があります。」
「……何だ。」
「その……、ん、そろそろ。」
「……。」
「ま、ま、………フィスティバルがスタートしますね。」

まさかの素敵な横文字。

「お祭り、そういやもうじきだよな、この時期になると。」
「い、YES。」
「祭り、行きたいのか?」
「………。」

顔を赤く染め出し、視線を背ける。

「良いぞ、行こうか?」
「っ!!」

顔をパァを挙げる、柊さん。

「本当、ですか?」
「あぁ、そこでもっと君を知りたい、もっと君に相応しい人間になりたい!」
「あ、あたる…君。」
「え?」

失言したと思い、目をパッとあげ口を手で隠す。

俺はそんな彼女を微笑ましく見つめ。

「浴衣…、着て来ますね。」
「あぁ、良い祭りにしような。」
「はいっ!」

これで彼女と一歩本当の意味で距離を縮める事が出来た…ような気がした。

第11話に続く。


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