熟れた女-5
「ああ…ああ…」
奥まで差し込まれると陽菜はいつも顎を震わせる。奥壁を突き破られそうな、そんな感覚にゾクゾクするような快感を得るからだ。正直仕事で男に優位に立たれるのは嫌いだ。そんな自分が男にペニスで何もできなくさせられてしまう、そんな自分の姿が何故か興奮してしまうのだ。いや、ペニスにだけではない。健太郎に対して無力な自分の姿がたまらなく好きだ。いつも中に出されてピルを飲まされる。しかしむしろ健太郎になら妊娠させられても構わない…。健太郎に抱かれながらいつもそう感じてしまうのであった。
従来、イキずらい陽菜たが、健太郎に抱かれるといつもすぐイッてしまう。健太郎の高圧的な態度が大好きだ。もしかしたら自分は本当はMなのではないか…、最近そう思っていた。
愛撫も何もない。抱き合いながら激しいキスだけのセックス。陽菜はそんなセックスが大好きだった。どんどん体は火照っていく。
「チュチュ…ハァハァ、丹野さん…」
健太郎は何も言わない。一方的に口を開く陽菜の顔を見ながら唇を塞ぎ激しく舌を絡ませる。溢れ出した愛液でスカートの内側はビッショリと濡れていた。健太郎と同行した日はいつもスーツが汚れる。それでも陽菜は健太郎と同行する日には健太郎が好みのスーツを着用する。健太郎に少しでもムラっとして欲しいからだ。自分に目を向かせたいが為に下着にも気を使う。健太郎が自分のスーツ姿を見て目を光らせてくれると安心できた。出来れば仕事などせずに健太郎と一日中セックスしていたい。他の女を抱く暇がないくらいに健太郎とセックスしていたいのであった。
「イク…!イクッ…!」
溜まらず唇を逃す陽菜。健太郎はじっと陽菜の顔を見つめる。
「イキます…丹野さん…!イクッ…!」
体の暴れは健太郎に強く抱きしめられ封じられる。その行き場のない体の興奮は、代わりに健太郎の体に強くしがみつく。
「ああん!ああん!あっ、あっ…」
激しく痙攣を繰り返す体。頭の中は真っ白だ。どんなに嫌な事も辛い事も忘れさせてくれる快感がそこにはあった。
「気持ちいいか?」
「ハァハァ…、ハイ…」
「そうか。まだ終わらせないよ?」
健太郎は挿入を続ける。
「ああん、丹野さん…ああん…!丹野さぁん…」
顔を歪ませ健太郎を見つめる。もはや健太郎の事しか頭に浮かばない。欲望の目で見られる感覚がたまらなく刺激的だ。自分に興奮する男の姿にゾクゾクさせられる。
「陽菜、出すぞ?」
寂しい位に淡泊な言葉を残して健太郎の精子は陽菜の中に出されたのであった。