You did a good job!-2
「おい。何かと連絡しやすいように連絡先を教えろ」
「はい」
俺たちは、メールアドレスと電話番号を交換した。
「いいか?乃恵は男を見る目は幼稚園児並みだ!」
「幼稚園ですか」
目を大きく開けてビックリしたようにクスクス笑う。
「当たり前だ。小学生だってイマドキの女の子はおしゃまだぞ」
「そうなんですね」
「とりあえず、誰かにデートに誘われたり、告白されたら保留しろ!」
「はい」
「今日も送ってってやる」
「え?え?結構です」
「なんで?遠いのか?」
「市内ですが、岡部先輩に悪いので」
「あのな?いいか?マジでお前危なそう」
「・・・・」
「いいから最寄駅を言え」
そう言って半場強引に乃恵の最寄り駅を聞きだして。
駅まで送ってタクシーに乗せた。
何かに似てる。
あの、人を疑わない目。
信じているとすがるような目。
あ・・・ぁ。
クロだ。
小学生の時に飼っていた犬のクロだ。
思い出した。
純粋に俺の事を信じて
どこに行くにも後をついてきたクロだ。
なんだか、思い出してすっきりした。
そうかそうか。
あの目はクロか。
だからなんか心配なんだな。
クロとの事も思い出した次の瞬間、クロとのお別れを思い出して
胸が痛くなった。
はぁ。
俺は乗ってきた電車の反対ホームで帰りの電車を待っていた。