I was wrong, please forgive me.-1
「岡部先輩。好きです。付き合ってください」
今まで、何回告白をされたかなんて数えた事もない。
謙遜するのは好きじゃない。
俺はモテる。
「あぁ。そう」
少し呆れて、そんな風に答えを返せば
「ダメですか?」
と食いついて来る。
梅雨に入るころ、サークルの新歓も終わって
1年生の女の子はそれぞれに可愛かったけど
ぼんやり酒を飲みながら「早く誰かとくっついちまえ」と思って見ていた。
サークル内の女の子に告白されるってめんどくさい。
俺が誰とも付き合う気がない事を説明するのでさえめんどくさい。
可愛い女の子数人は早くもヤローどもが目を付けてて
そのうち誰かと付き合うだろう。
少し飲みすぎたか。
トイレに行って座敷に戻る時に一人の新人に声をかけられた。
「付き合うのは無理。セックスだけなら・・・いいけど」
「・・・付き合うのはダメですか」
「ダメだな。興味がない」
「岡部先輩は・・・誰とも付き合わないんですか」
「まぁ・・・ね。俺はセックスだけ」
「とにかく。彼氏なら他を探して。俺、愛なんか信じてないから」
そう言い放って、元にいた座敷に戻って酒を飲み始めた。
「まったく。愛なんかよく信じられるよ」
俺がつぶやいた愚痴を隣にいた女の子が聞いていて
「愛を信じていないんですか?」
と、少し困ったように聞いてきた。