I was wrong, please forgive me.-4
何なんだ?この女?
「私、これから毎日岡部先輩に愛が訪れるように祈りますね」
「毎日?」
「はい」
「俺のために?」
「はい。ご迷惑ですか?」
いや。迷惑じゃないけど。
「それって意味ある?」
なんだか、この会話自体が楽しくなって少しからかってみようかななんて思った。
「すぐに結果を求めてはダメです。
愛とは生涯かけて解き明かしていくものです」
「なるほど」
よくわかんねぇけど。
乃恵がとにかく純粋に愛を信じてるって事は伝わってきた。
「遊びで言ってる訳じゃないんだな?」
「もちろんです」
そう優しく笑う顔は、なんだかよく分からないとんちんかんな事を言わなければ
可愛い子なんだけど。
清楚なワンピースを着て、
サークルの新歓の飲み会で未成年だから、とお酒を飲まず
まっすぐな黒いストレートの髪を後ろに垂らして
綺麗な背筋で優しく笑う。
こんなに素直で、純粋な大学生なんてイマドキめったにお目にはかかれない。
どこで純粋培養されたんだ?
「子羊ちゃん。悪い男にだまされるなよ」
余計なおせっかいだと分かっていても、なんか心配になった。
「ありがとうございます。
でも、神の前では岡部先輩も子羊です。
愛を信じられない理由がトラウマになっているならば
私も一緒にお手伝いしますから乗り越えて行きましょう」
そう来たか。