I was wrong, please forgive me.-3
「たぶん、新人のほとんどが18だと思うけど。
まぁ19や20のやつらもいると思うけどな。
皆、飲んでるよ?酒は苦手?」
俺はほっとけばいいのに、なぜかこのオンナが気になった。
「いえ。飲んだ事がないので」
と、不思議そうに聞くオンナ。
「私、18なので」
分かったよ。
18なんだな?だから飲まないんだな?
そんなこと言ってここで飲まない奴なんて初めて見た。
「で?愛を信じてるって?」
「もちろんです」
「見たことあんの?」
「え・・・?」
「だから。愛を見たことあんのか?って」
俺も、酔ってるな。
「本当に大事なものは、目で見ることはできません。心で見るのです」
「・・・・」
「愛自体の大きさや重さを目で見た事はありませんが。
愛を感じることはあります。その大きさを感じる事が出来ます」
「生憎―――愛を感じたことはないんだ」
ぐっと飲んだ、ビールがいつも以上に苦く感じる。
そんな俺の投げやりな態度に少しビックリして
ジョッキをテーブルに置いた後の俺の手を乃恵が握り締めた。
「え・・・?」
「岡部先輩に神の御加護がありますように」
は?
「岡部先輩が愛を信じられるようになりますように」
はぁ?
そして乃恵は小さく、祈りの言葉をつぶやいた。