2人の関係W-1
もぉ絶対メールしないっ!
これで、いいんだ。彼は、さみしかったんだろう。私が彼に近付いたことで、彼女さんが彼への大切さに気付いて。よかったんだ。もぉ、私の役目は終わったんだ。そう思った。思うことに、したんだ。
5日くらいメールしなかった。
そしたら、突然彼からメール。
「起きてますか??」って。
「起きてるよ☆」って返したら、「スティッチのぬいぐるみとかいりません??ゲーセンで取ったんですけど」って。彼は私がスティッチがめっちゃスキなことを知ってる。もちろん、ほしい!って言ったんだけど、この日は私が忙しいから、2日後に会うことに決めた。
なんで私に会おうって思ったんだろ?ほんとにぬいぐるみを渡すためだけかの??よぃ方向にばかり考えてしまう…考えたくないのに…これで全然違う展開だったらヘコむもんっ。
当日、私は家で、待ってた。向こうはサークルがあるから。私もいつもだったらバイトとか部活あるんだけど、この日は珍しく何もなかった。1人で、待つことにした。
待ちくたびれて、気付いたら、寝てた。彼からの電話で起きた。
「なんかサークルのみんなでカラオケ行くかもでぇ…でも持ってくんで待っててくださいっ」って。
しばらくして彼が来た。私は聞いた。
「彼女にあげないの??」
「ぬいぐるみとかスキじゃないんですよぉ」…そうっすか。彼は家にもあがらず、玄関で話してたら、サークルの人から電話来て、行ってしまった。
ほんとにぬいぐるみ持って来てくれただけだったなぁ。
部屋に戻る。あれ?ぬいぐるみの袋の中になんか入ってる…リトルグリーンメンのちっちゃなキーホルダー。私の携帯の待受はコイツになってる…。彼にメールして聞いた。
「スキって言ってましたよね?もらってください☆」って。
なんでそんなん覚えてんだよっ!
…悔しい。また期待してしまうじゃんかっ!
2日後、バイトのシフトが同じで、一緒になった。
帰り、ドライブしようって言ったら、はいって来てくれた。
「彼女にさぁ…怒られたんだろ??」
「…はい」
「ま、仲良くやれよぉ」精一杯の強がり。
「…はい」
「オマエ、いぃやつだよなぁ。彼女いなかったら、私、立候補したのに〜。残念だなぁ」って冗談っぽく言う。
彼は何も言わない。
気付いてるはずだ。
本気だって。
彼は口を開いた。
「…もう少し、早くに仲良くなりたかったです」
「…そうだね」
私たちは遅かったんだ。
互いに、もう何も話さなかった。
彼を家まで送る。
「ありがとうございました」
「いぃえ〜」
「…また」
「またなぁ☆」
彼は車のドアを閉めた。
私は、アクセルを踏む。
前に進む。
次は、遅かった、なんて言わせない。言わない。そう決心する。
アクセルを強く踏み込んで、私は帰路についた。
あとがき…半分実話です…どこが実話じゃないかと言うと、ラストなんですが。まだ終わってません。戦います。彼ともだけど、自分と。なので、ただのハッピーエンドにはなりませんでした。ここまで読んでくださり、ありがとうございます☆いつか、結末を違った形で書けたら…。