Scene 4-1
「はあぁっ…。」
自分の部屋、自分のベッド、いつもと変わらない眺め。
「はっ…はっ……はーっ…。」
喘ぐように大きく息を継ぎ全身に酸素を送り込むと、激しい動悸が徐々に治まってくる。
寝汗がひどい。
喉が焼けるように熱い。
重い身体を引きずるようにベッドを出て、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出す。
乾いた土に雨が降るみたいに、冷たい水が私の身体に染み込んでいく。
キャミソールと下着姿のままでソファに腰を下ろす。
頭の芯がじんわりと熱を持ったように重い。
昨日…昨日のこと…
突然の雨…部長の車…食事とワイン…
食事をして、それから…
記憶が真っ白な霧に閉ざされる。
どうやって家に帰ったのか、まるで思い出せない。
これまで、記憶が飛ぶほど酔っ払ったことなんてないのに。
PI…PI…PI…PI…PIPIPIPI……
6時にセットした目覚ましが鳴り始める。