セックスの意味-4
「田所さんは、着痩せするタイプだよな。こういうの、すげえいい」
清楚な顔にはあまり似合わない、ゴム毬のようなバストを眺めながら俺は言う。
「そうそう、純粋そうな顔にエロい身体って、男からしたらたまんないんだよな」
井出はヒヒヒと、歯並びの悪い歯を見せつつ頷く。
そんな俺らを冷めた目付きで眺める傳田は、呆れたように首を横に振るだけだ。
仕方ねえじゃん。エロを仕事にしてるとは言え、可愛い女の子の裸を見れば反応するのは男の性で。
撮影中こそ紳士的だった俺達だけど、田所さん達が帰ってからこそこそトイレに向かったのは、それほど彼女が魅力的だったからなのだ。
ブラジャー姿の田所さんに、胸から遠い所からキスを落としていくツトムくん。
女は焦れったいくらいの愛撫がちょうどいい、とアドバイスをしたことが頭に残っていたんだと思うと、嬉しくなった。
『ああっ……』
肩からゆっくり辿るキスは、少しずつ中心へ向かい、やがて胸へやって来た頃に、プチンとブラジャーのホックが外された。
『あんっ!』
露になったバストがプルンと揺れると、彼女は慌てて胸の前で腕をクロスさせた。
だけど、田所さんの細い腕で隠し通せるサイズではない胸は、その腕の隙間からピンクの乳首がチラリと覗いていた。
彼女の乳輪は、所謂パフィーニップルってやつで、乳輪自体がぷっくり膨らんでいるもので。
「エッロいおっぱいだなあ」
井出のニヤつく顔でヒヒヒと笑う。
――そう、要するにエロいおっぱいなのだ。
『やっ、ツトム! 見ないでぇ!』
クロスしている腕を、頭の上で固定されてしまった田所さんが大きな声を上げた。
『千鶴、綺麗だ……』
真っ赤になって泣きそうになっている田所さんに、ツトムくんが優しくキスをしながら囁く。
それでも、嫌々と首を横に振りながら、ツトムくんに拘束されている両手首を振り払おうとしているけど、何度も注がれるキスと愛の言葉に、抵抗の力が少しずつ弱くなっていった。