セックスの意味-3
では、その心構えと言えば。
答えは、シンプル・イズ・ベスト。
女を抱く時は、相手を愛している気持ちを忘れないで抱くこと、それに尽きる。
テクニック等、いろいろ気になる所はあるだろうが、それはセックスの楽しさを知ってからでいい。
むしろ最初は、下手くそだとしても愛しい彼女へ気持ちを込めながら抱くことが大切だ、と俺は考える。
それは、数々の女の子と交わってきた時に教えられたこと。
気持ちが入っているかどうかで、その快楽は段違いだと、経験豊富なAV女優達は口を揃えて言っていた。
畢竟するに、身体も心も愛で包んでやれ、そういうことなのだ。
『……っは』
田所さんの吐息が少しずつ乱れてきた。
ディスプレイの中では、キスが深いものになっていて、ツトムくんの手が優しく胸を撫でている所である。
服を撫でる、衣擦れの音。舌が絡まる、湿った音。
顔を赤らめながらも何とか背伸びしてツトムくんのキスを受け止める田所さんはとても綺麗だった。
やがて彼女に触れていた手は、その動きを徐々に大胆にさせていく。
服の上から撫で回していた彼の右手が、いつの間にかシャツの裾から中に入り込んでもぞもぞ動く度に、小さく声を上げる田所さん。
バランスを崩し、ツトムくんにしがみつくものの、彼もまた足がもつれて、二人してベッドに倒れ込んだ。
彼女の緩く巻かれた髪が純白のシーツに広がり、時が止まったように動かなくなる二人。
田所さんに覆い被さる形になったツトムくんは、生唾を飲み込んだのか、喉仏を上下に動かしてから、再び彼女にキスをした。
ここからは、我慢の限界だったのか、ツトムくんの動きがやや激しくなってきた。
シャツのボタンを、はやる手つきでひとつひとつ外していくと、パステルピンクのこれまた田所さんらしい可愛いブラジャーが顔を出した。
『……あっ、は、恥ずかし……』
『千鶴、すごく可愛い……』
あっという間に脱がされたシャツは、ベッドの下に放り投げられた。
上半身をブラジャー一つにされてしまった田所さんは、もじもじと腕を寄せて隠そうとしているが、それがまた、よけいに谷間を強調させている。