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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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由紀はコーヒーのコップを両手で持って小さく小さく飲んでいた。

「男性に触られるのが気持ち悪かったはずなのに。
柳下さんに素足を触られて。絆創膏を貼ってもらって。
手をつないだり、キスをして。
気持ち悪いどころか気持ち良かったんです」

冷たい由紀の足先を両手で温めたことを思い出した。
今も、きっと冷たい足先を、俺の手で温めてあげたい。

「柳下さんに抱かれたいと思って、勢いでついてきてしまいましたが
優しく抱いてくれて、凄く嬉しかったです」
「じゃぁ、なんでっ」

「朝起きたら、怖くなったんです。
色々です。これがって事ではなくて。本当に色々です」
「・・・・」

カタン。と小さな音を立ててカップをテーブルに置いた。

「村松さんの事とか。
運命の人の事とか。
嫌悪していると言っていたのに、キスをして抱かれて。
私の事を嘘つきだと思ってないかとか」

「そんなこと思わなかったよ」

「柳下さんのように・・・素直に言えば・・・
私が初めてだった事も。怖かったです」
「なんで?」
「この年になって、初めてってどうですか?」
「由紀まだ24だろ?」
「でも友達はドンドン経験して行って。
私もって焦る気持ちと、気持ち悪いという気持ちと。
混ぜあわさって、ずっと複雑でした」
「うん」

「でも柳下さんの反応が1番怖かったんです」

「・・・・」

「逃げ出してごめんなさい」





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