首輪-4
羞恥とも恐怖とも言い難い感情が沸き起こる。
狩野さんの目から目をそらすことができない。
狩野さんがふっと笑うと、チェーンを引く手の力を緩めた。
「このまま響子ちゃんをこの部屋に閉じ込めたいな。首輪をつけて、響子ちゃんを飼いたい。ずっと──そう思ってたんだ」
狩野さんの右手の4本の指がわたしの首に、親指が唇にかかる。
親指が唇をぬぐうように動いた。
「ずっと……ずっと響子ちゃんの髪の毛に指を通して、白い肌に触れて唇にキスをしたいと思ってた。──震えてるね、響子ちゃん。怖くないよ」
狩野さんの右手がわたしの首にかかる。
「響子ちゃんの白い首に力を入れるところを想像するとね、いつもどんなに疲れていても眠れなくなった。あぁ……響子ちゃん……」
息苦しいというより、頭が膨張するかのような圧迫感を覚えた。
耳の奥に滝の音のような騒音を感じる。
「その顔……すごくいいよ、苦しそう……すごく可愛い。響子ちゃん、可愛いよ」
目の前が暗くなりかけたその瞬間、狩野さんが右手の力を緩めた。
倒れかかるわたしを抱き上げ、彼はわたしをベッドの上にふわりと寝かせた。
全身の力がどこか遠くへ吸い込まれていってしまっているみたい。
腕にも足にも力が入らない。
人形のようにだらりと横たわるわたしのブラウスのボタンを、狩野さんは丁寧に外していった。
アンダーバストコルセットに押し上げられた胸元が露わになる。
「響子ちゃん、綺麗だよ……」
狩野さんが音をたてて貪るようにわたしの胸にしゃぶりついた。
「いや……あっ……狩野さん、やめて……」
淫らな音が部屋の中に響く。
カッと頬が熱くなった。
狩野さんの舌がわたしの乳首をレロレロと舐めまわす。
狩野さんが動き息が弾むたび、首元のチェーンがシャラシャラと音を立てた。
「響子ちゃん……響子ちゃん……乳首、硬くなってきたよ? 身体は正直だね……」
「いや……やめて」
狩野さんがチェーンを左に大きく引っ張る。
むき出しになった首筋に狩野さんが噛みついた。
「やっ──」
鋭い痛みに涙が浮かぶ。
狩野さんがその涙を舌で舐めとった。
「首輪をされておっぱい出してる響子ちゃん、すごくエロくて可愛いよ……写メ撮らせてね、すぐ撮るからね」
「や、やめて……狩野さん、やめて」