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音楽という宝物
【青春 恋愛小説】

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音楽という宝物-1

「それではいよいよですよ、皆さん心の準備はOKですよね?第29回高校生バンド選手権、優勝グループは……『スタンドバイミー』です」
その時、俺は聞き間違いだと思った。

…数時間後…とある公園で…「私、ずっと山下の事好きだった…付き合ってください!!」これはきっと夢だと思った。

『音楽という宝物』

俺の名前は「山下 拓也」、高校三年の18才である。『スタンドバイミー』というバンドのギターボーカルだ。このバンドは4人構成で、俺、俺と同じくギターボーカルの「太田 麻衣」、ベースの「田辺 純」ドラムの「雛形 愛」という男女混合バンドである。皆、小学校の頃からの仲でと言いたいところだが、実は出会ったのは高校生になってからだ。同じバンドが好きだからという単純な理由で組んだ。しかしかなりみんな明るく仲がいいのでよく友達に疑われる。そして高3の夏、初めて出場した高校生バンド選手権で見事優勝してしまった。

4人共キョトンとしている…「マジかよ!!俺達が優勝なのか!?俺の頭おかしくなったのかな!?」当然俺はびっくりする。「頭は元からおかしいよ…」と鋭い突っ込みを入れるのは雛形 愛、こいつはなかなかの毒舌だ。しかしかなりの美女!!しかもスタイル抜群!!勉強はトップクラス、運動神経も抜群だ!!学校1モテていると言っても過言ではない…
そしていきなり横から「やった〜」と言って俺に飛びついてくるのは、太田 麻衣。この子は凄く明るくてちょっと天然だ。実は俺はこの子が好きだがまだ何も言い出せずにいる。「そんな事よりなんか呼ばれてるぞ!!」満面の笑みで冷静に回りが見えているのは田辺 純、こいつは凄くいい奴だ。こいつの悪口なんて聞いたこともない。
とにかく呼ばれているので俺達は壇上へ上がった…「おめでとう!!君達の『君のいない夏』は素晴らしかった。」とトロフィーを渡された。「あ、ありがとうございます!!」リーダーの純がそれを受け取る、見ると今にもうれし泣きしそうな勢いだ。三人とも必死に笑いを堪えていた。「じゃあこっちの部屋に移動してください。」係員に先導され部屋に入る…これからは興奮しすぎて覚えてないが、確かなことは俺達のがメジャーデビューする事だった。いきなり高校生がメジャーデビューするなんて…びっくりしすぎて俺は「なんだって!!」と大声を上げてしまった…詳しい事はまた今度連絡するということで俺達は家に帰った。
「ただいま〜」まだテンションが高い俺は声がひっくり返った。その声に驚いて母さんが出てきた「あらおかえり、早かったわね。それでどうだったの??メールもくれないんだから…」「あっ!!ごめん忘れてた…結果は優勝!!メジャーデビューいたします。」と俺は告げる。「えっ!!ホントに!?!?拓也が!?信じられない…しかもメジャーデビュー!?」母さんは俺に迫りながら言った。「ホントですよ奥さん!!今日はスシ頼んでくれない??」「もちろんいいわよ。拓也のCDが出るなんて、地球はどうなるやら…」「オイオイ俺は悲劇の種か…」こんな会話をしていると携帯がなった。太田からメールだ。「もしよかったら今から中央公園にきてくれる??伝えたいことがあるの…」当然俺は「OK!!すぐいくよ。」と返信した。好きな人の誘い(?)を断るはずがない。「ごめん、母さん俺、今から出かけてくるわ。」「今から!?ち、ちょっとどこいくのよ!!」俺は最後まで聞かずに飛び出した。その公園まではチャリで五分ほどの距離だ。公園につくともう太田はきていた。「山下もう来たの!?
かなり早いね…」何故か太田は真っ赤だ。「早いのが取り柄ですからね。太田が待ってると思ったら急いじゃったよ…」しまった!!つい本音が出てしまった。俺の気持ち気付かれたか??と思ったが、天然の太田は気付かない「とにかく早いのは嬉しいよ。私が伝えたいことはね……」

……一瞬の沈黙……

「私、ずっと山下の事好きだった…付き合ってください!!」俺は今日、二度目のびっくり&嬉しいを味わった。「本当に俺が好きなのか??俺カッコ良くもないし変だし…」俺の顔は自分で言うのもなんだけど普通だ。性格は良く言えば面白い、悪く言えば変人だ…
「私は山下の優しい所と一緒にいると楽しい所に惹かれたんだ。私と付き合ってくれますか??」もちろん俺は「実は…俺も太田の事ずっと前から好きだったんだ!!」思わず抱きついてしまった。「ありがとう…ずっと一緒にいようね。」しばらく俺達は抱き合っていた。ある秋の夕方に………


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