告白-4
「いえいえ。まだ確定ではありませんからねぇ」
完全無実の可能性もあるのだ。
「それは、そうですが!疑わしきは罰せよ、という言葉もある位です!」
「いえ、それ、疑わしきは罰せず、ですから」
何を言いだすのか、とカウル=レウム王は眉を潜める。
どうもディアゴはカウル=レウム王に危険が及ぶと冷静さを欠く。
「とにかく、様子見です」
「……承知しました」
ディアゴは渋々といった感じでカウル=レウム王にお茶を出した。
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その夜、リョウツゥの部屋に来ていたジルは口をパクパクしていた。
「は?何で俺が園長に会うワケ?」
意味が分からない。
「あ、その、プライベートでお世話になってるとお話したらお礼がしたいとか何とか……」
リョウツゥはモゴモゴとキアノの用意した嘘をつく。
「……ウソだろ?」
「う゛」
挙動不審ぶりが半端ないリョウツゥにジルは目を細めた。
(バレた……か?)
始めの偵察で血を残してしまったのでカウル=レウム王には密偵が「銀の民、男性」という事がバレている。
その条件にピッタリはまっているジルが、重要な施設であろう植物園で働くリョウツゥに近づいているとなると警戒されても仕方ない。
しかし、言い訳にしかならないがリョウツゥに近づいているのはリョウツゥが好きだからであって、決して偵察の為ではない。
(まあ、多少、利用はしてっけど)
それはそれ。これはこれ。だ。
「つうか、お前が俺に世話になっているとしてだ。何で園長が礼をするんだ?」
「う゛」
リョウツゥは黙ってそっぽを向く。
「あの、その……園長とヴェルメさん、お付き合いしてるんです」
「へえ?」
質問の答えと違うがそっちにも興味が沸いた。
「で、他民カップルって大変なのかなぁ?って聞いたら、逆に根掘り歯掘り聞かれてしまって……」
「ああ、俺らの関係喋らされたんか」
「はい」
成る程、とジルはソファーに背中を預けた。
「身体だけの関係、って正直に言えは良いじゃねぇか」
ジルは違うがリョウツゥはそうだろう。
「っっち、違うからっ、こんな事になってるんです!!」
思わず身体を乗り出して言ったリョウツゥに、ジルは目を瞬く。
「は?」
ジルの目の前でリョウツゥの顔が一気に赤くなって爆発した。