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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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「柳下さーん」

相変わらず元気な山口が外出先から帰った俺を呼んだ。

「なに?」

「これ。今度広報がイメージ戦略商品としてストラップを作るんです」
「うん。かわいいな」
「なんと好きな文字を刻印できるんですよ!」
「へぇ」
「社内で先行して予約できるんですがそれよりも先に広報で見本的に購入できるんです」
「へぇ」

それは小さい石の付いたかわいらしいデザインのストラップだけど
「俺いらないけど?」
男が持つようなもんじゃない。
「上杉さんにあげるんですよ!」

あぁ。そういうことか。

「社内予約は半年以上先になるので当分はレアですよ」
レアねぇ。

「加藤さんに声かけてみたら?」
「あ。加藤さんは彼女用に注文済みです」
「・・・あっそ」

「じゃぁ『YUKI』で注文しておきますね。
お金は出来上がってからです〜」
「は?ゆきってなに?」
そう言う俺を、呆れたようにじっと見つめて
「上杉さんの名前ですよ・・・」という。

あ。ゆきって言うんだ。

「まさか知らなかったんですか?」
「えっいや」

山口は、はぁ。とわざとらしく大きなため息をついて
「由紀ちゃんですよ。覚えておいてくださいね」
と念を押して他の人のところに注文を聞きに行った。

由紀ちゃん、か。




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