変化-5
「ねぇ、ちょっと!」
「え、なんすか先輩。」
「なんすか、じゃないわよ、どうしたのよ最近…、ボーとしちゃって。」
「いや、別に。」
「本当?」
「あ、あぁ。」
何だか不思議だな、先輩は俺の彼女なのに…。打ち明ける気が起きない。
打ち明けたいの、大事な友達だから…
八百屋での、彼女の言葉を不意に思い出す。
「はぁ…。」
顔をこわばらせ向こうに溜息を吐く彼女。
廊下の方へと背を向け、扉の所でピタッと足を止め…。
「私達、……付き合ってるんだよね?」
「……。」
否定をしない俺に、般若のような顔をし、その場を去っていく。