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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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ジメジメな梅雨まっ盛り。
めんどくさい仕事を加藤さんに押し付けられて
資料室で1時間も探し物をして、
「ったく。早く過去のデーター全部電子ファイルにしてくれよ」
なんて、ぼやきながら地下の冷たい廊下を歩いていたら
男女の話声がした。

ここで人に会うなんて珍しい。

ここはワンフロア全部が過去の資料室になっていて
今では直近の10年分ぐらいはデーター化されているから
それ以前の資料が欲しい奴しか寄りつかない階だ。

「お付き合いは出来ないって言ったはずですが・・・」
「食事ぐらい付き合ってくれてもいいだろ?」

ああ・・・
男女の痴話げんかね。
めんどくさいな。

社外でやってくれよ。

それでもエレベーターの前でやられたら
そこを通るしかなくて、しばらくため息をついて息をひそめていた。

「上杉さん。なんで食事もだめなんだよ」
「あんまりしつこいと、出るところ出ますよ」

上杉?
あぁ・・・
2年目の秘書課の上杉さんか。
誰かがイイって言ってたな。
モテるんだな。

「出るとこ出るって何だよ?デートに誘ってるだけだろ」

早くしてくれよ。
この資料重いんだけど。




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