終章-1
【終章】
「うふふ、みんなが裸で仲良くジャグジーに入るのって、なんだか楽しい」
「あら?さっきまではトンでも無いって顔をしてたじゃないの」
瑞季の言葉に瞳が茶化した。
「えっ、そうだったかしら。こうしてみんなに見てもらえるのに、あたしがそんなことを思うはずないですよ。は〜い、皆さん、あたしのおまんこに注目して下さ〜い」
全裸の瑞季は立ち上がると、ジャグジーの縁に踵を乗せて座り、足を開いてその部分がみんなに見えるようにした。
「ああん、みんなのエッチな視線、ゾクゾクするわ」
「お母さん、恥ずかしいからやめなよ」
親が嵌めを外すと子供としては恥ずかしい。幸樹は瑞季の股間を手で隠した。
「幸樹、それじゃあお母さんがモノ足らないぞ。股間を隠すならこうだ」
師は瑞季の開かれたワレメに手を伸ばし、湯とは違う液体でヌルむ肉穴に指を差し入れて、弟子に見本を示した。
「あうううっ、し、新司くん、さすがだわ」
瑞季はのけ反って歓びを示した。
「師匠、これからもご指導お願いいたします」
師の素晴らしい手本を前に、自然と頭を垂れる弟子であった。
「うふふ、瑞季さんだけ恥ずかしい思いをさせたら可哀想だわ。あたしのも見て〜」
恵子が瑞季の反対側に座り、同じように足を開いた。
美弥子と瞳が顔を見合わせると、ニンマリと笑った。それぞれがジャグジーの円を4分割する位置に座って足を開いた。
「ちょっと人数が少ないけど、おまんこサークル・ジャグジーバージョン開始〜」
美弥子の号令が掛り、新司と忠が腰を上げ、目の前にある陰部にイチモツを突き立てた。
この卑猥な名称の性交は、女が外側に円になって並び、内側に並んだ男が特定の回数突き立てながら、時計回りで乱交を楽しむ美弥子達のクラブの名物だ。
「ほら、幸樹くん、あたしのおまんこが空いてるわよ。早く淹れて」
恵子が幸樹を促しながら、清純そうな笑みを浮かべた。幸樹は力強く肯くと、恵子の物欲しそうな陰部にイチモツを突き立てた。
「あああん、凄い〜〜」
「10回交代よ!ああん、あたしにも早く頂戴〜」
1人あぶれた美弥子の叫びが、初夏の空に抜けていった。
「新司さん、折角の海水浴なのに海で泳がないのは青春じゃないわよ」
遅れた青春を取り戻すべく、恵子が新司を誘って海で泳ぐことにした。
「じゃあ、幸樹、あたし達も行こうか」
乱交が一段落したこともあって、結局、みんな揃って浜辺に行くことになった。勿論、恵子はTフロントのピンクの水玉水着(リモコンローター付き)、美弥子は幸樹に返してもらったスケスケビキニ、瞳は全裸の上に大きめのTシャツ、そして瑞季は自分でカスタムした乳首と股間に穴の空いた水着を着ていった。
幸樹が立てたパラソルの下に、ビーチマット敷いて瑞季はくつろいだ。
その横には、美弥子と瞳が談笑していた。聞き耳を立てると、何やらおちんちんが一本足りないといった内容で、どこかで調達しようという相談だった。
忠が夜に備えて精液を製造するために寝息を立てていて、横には赤マムシドリンクの空き瓶が5本転がっていた。早速その効果があったのか、寝起ち状態で勃起する肉棒の先端がビキニパンツからはみ出ていた。
海に目を向けると、運動神経抜群の恵子が見事なクロールを披露していた。
「幸樹、しっかり漕げ!」
新司と幸樹が兄弟のように、ゴムボートに乗って恵子を追いかけていた。
「ふう…」
瑞季は息を吐いてゴロンと寝転んだ。
「あっ、いけない」
瞳の言葉を思い出して、足を立てて開いた。
ーあたし達はいつでも受け入れられるように、横になったら必ず足を開かなくちゃだめなのよー
空いた水着の穴に初夏の風が触れ、淫毛を優しくなびかせた。帰ったら美弥子達が永久脱毛したエステを紹介してもらうことになっている。この感触を楽しめるのはそれまでだと思うと、少し感傷的になった。
「おい、見ろよ。あの女の水着、モロ見えだぞ」
少し離れた場所から、初夏の風に乗ったひそひそ声が届いた。
瑞季はその者たちが見やすいように、更に足を大きく開いた。零れた愛液が夏風に気化されてゾクゾクしたが、それ以上に違う意味でゾクゾクしている瑞季は、野外での露出がクセになりそうだった。
その時、海の方から幸樹の叫び声が聞こえてきた。
「大変だ!恵子さんが溺れてる!」
その声に慌てて起き上ったが、横に居る美弥子は少しも慌てる風もなく呑気なものだった。
「うふふ、このリモコン、この距離でも届くのね」
「もしかして美弥子さん、今それ押したの」
瞳が怖々と聞いた。
「ええ、作動するか試してみようと思って。よし、最強にしてみようっと」
美弥子はリモコンの摘みをグイッと回した。
また、遠くに幸樹の声が聞こえてきた。
「うわあ、大変だああ、恵子さんが沈んだあああ」
「恵子ー!」
新司が叫び、ボートから海に飛び込んだ。
その光景に慌てなければいけないのだが、母親達の呑気さと子供達の緊迫感のギャップの差に、瑞季は何だか可笑しくなってきた。
(うふふ、そうね。あたしも見習わないとね)
昨日までの狭小な自分には戻らない。
(この一家に知り合えてよかった)
そう心から思えた瑞季は思わず叫んでいた。
「あははは、おまんこクラブ、サイコ―――!」
夏は始まったばかりだった。
おしまい。