そして始まる宴-1
【そして始まる宴】
射精の余韻が去り、照れ笑いを浮べる瑞季に幸樹はキスをした。ディープキスをするには照れ臭く、軽く唇を合わせただけの軽いキスだった。
妙に顔が火照ってきた幸樹は、瑞季の視線を避けるように、男女の結合を解いてゴロンと仰向けに転がった。
火照った顔を誤魔化すように、大人っぽい顔をしようとしたが、初めての体験を終えた高校生は、自然とだらしない笑みが溢れてくるのだった。
幸樹が離れる前から、瑞季の耳に女達のコソコソ話が聞こえていた。
「ここはお義母様がどうぞ」
「何言ってんのよ。恵子ちゃんがどうぞ。美弥子さん、いいでしょ」
「うふふ、そうね。恵子ちゃんはまだゴックンして無かったから、あたし達に遠慮しないでいただきなさい」
2人の母親から言われた恵子はニタ〜と微笑んだ。
「お義母様、お母さん、ありがとうございます」
恵子はお礼を言うと、卑猥な笑みを浮かべたまま、離ればかりの幸樹に代わって、瑞季の顔を覗き込んだ。
「瑞季さん、お掃除させていただきます」
「へっ?」
まだ股間に残る余韻に浸っていた瑞季は、同性でもドキリとする整った顔が間近に迫り、瑞季の胸の鼓動が激しくなった。
するとその直後、恵子の顔が消えて、瑞季の股間にまた快感が走った。
「あううっ」
幸樹のがむしゃらな舌使いとは異なり、女の急所を知り尽くした舌が、瑞季のワレメの中を蠢いていた。
「あっ、あっ、け、恵子さん…、そんな…、ダ、ダメ…、女同士よ…やあん」
同性に舐められて驚く瑞季だったが、言葉とは裏腹に、その快感に喘ぎ、身を委ねるしかなかった。
くりくりと乳首を捻られ、恵子のしなやかな指が膣内を犯し、敏感な部分を擦った。
「あん、あん、あん、気持ちいいのお〜」
可愛く喘ぐ瑞季の口に、突然恵子の唇が塞いだ。驚く瑞季の口の中に、苦味の走る液体が注ぎ混まれた。
瑞季はそれが何かがわかると、口内を犯す恵子の舌を貪るように自分の舌を絡め始めた。
こうして瑞季に中出しされた精液は、恵子によって啜り取られ、それが今、女同士のディープキスで瑞季の口に移された。
恵子の善意に感謝した瑞季は、一旦口を閉じるとそれをそのまま飲み込もうとした。しかし、突然子宮がズキンと疼き、それを押し留めた。
(そ、そうよ…女同士だもの…わかるわよ恵子さん…)
瑞季は恵子の舌の動きを通じて、恵子の欲求を頭で無く子宮で理解した。一拍置いて、それを頭でも理解した瑞季は、舌の上で溜まった精液を転がし始めた。
「クチュクチュ」
倒錯に芽生えた瑞季は、恵子の期待感を煽るようにわざと音を立てた。唾液が分泌され、口内の液体の嵩が増していくと、それを待ちきれない恵子の舌が瑞季の唇を割って入った。
恵子の舌の求めに応じて、瑞季は口内に溜まった液体を舌で恵子の口に押しやった。
ジュル、ジュル、ジュルル…
それがおおよそ半分に達すると、恵子は阿吽の呼吸で重ねた唇を離した。まるで真剣で稽古していた達人が、稽古途中に剣を引くような見極めと、凛とした所作だった。
2人の女は見つめ会い、ニッコリと微笑みながら、仲良く分けた液体をゴックンと飲み込んだ。その後、お互いを愛とおしむように、舌を絡めたディープキスを暫く続けた。
儀式は終わった。恵子は離れ際に瑞季の耳元で何かを囁くと、その反応を待たずに、忠の上に騎乗位で跨がり、腰を振りながら様子を見ていた瞳に駆け寄りキスをした。
恵子の囁きに驚いた瑞季だったが、ふと強い視線を感じて視線を巡らした。視線の先には、横たわる幸樹のイチモツが変わらず勃起状態を維持していたのが見えたが、問題はその先だった。
幸樹のイチモツの向こうに、お預けを食らった犬のように、舌舐めずりをした美弥子が座り、物欲しそうな視線で自分を凝視していることに瑞季は気付いた。