宴への誘い-1
【宴への誘い】
「ほら、幸樹は海老とホタテが好きだろ、それととうもろこし、美弥子さんがお前のために用意してくれてるぞ」
庭に備え付けられたバーベキューコンロに、炭火を起こし終えた新司が、ビール片手にクーラーボックスの一つを開けて幸樹に示した。
幸樹は忠と日除けのターフを張り終わったところで、忠が用意してくれたコーラで一息ついたところだった。忠は勿論赤マムシドリンクだ。
肉も好きだが海鮮物を好む幸樹のために、新司の示したクーラーボックスの中には、色々と取り揃えられていた。
イカは切り分けられているのは当然ながら、幸樹が食べやすいように大振りの海老の皮まで剥いているのを見ると、今更ながらに美弥子の人の善さがわかった。
これは幸樹の嗜好で、バーベキューをする時には、皮を剥いた海老を出すと、いくらでも食べていたことを、瞳が美弥子に伝えていたからだ。一人っ子の特性で皮が付いたまま焼いても、面倒がって自分で剥いてまで食べないのだ。
今朝までは見ず知らずだった美弥子の示す善意に、幸樹は戸惑いながら返事をした。
「は、はい…」
それに、幸樹は車の中での淫らな出来事を知る新司が、そのことに一切触れないので、どう接していいかわからなかった。
婚約者と自分の母親の自慰行為をモロに見られたのに、平然とする新司が信じられなかった。
「おい、幸樹くん、元気がないじゃなか。新司くんから君は明るい子だと聞いていたけど、どうしたんだ?やはり知らないオジサンオバサンが一緒の旅行は嫌だったか」
(この年頃なら無理ないか)
忠は自分のその頃を思い浮かべながらそう言った。ただし、思い浮かんだその頃の記憶は、セーラー服姿の美弥子とセックス三昧だったことしかなかった。
「ははは、違いますよ。車の中で女達の洗礼を受けてビックリしてるだけですよ。なあ、幸樹」
触れてこないのも気になるが、突然、その事にふられても困る。幸樹は絶句するしかなかった。
「ははは、なんだそうだったのか。で、誰としたんだ?」
忠も楽しそうにトンでもないことを聞いてきたので、幸樹は慌ててプルプルと首を振った。
「なんだ、してないのか。君はまだ童貞か?なら直ぐにそれとはオサラバできるよ」
「できるんですか!」
忠の言葉に幸樹は食い付いた。さっきから瞳の股間のモロアップと、美弥子と恵子のワレメから頭が離れず、とにかくセックスがやりたくて仕方がなかった。
それはこの日に限らず、急激に成長した肉体は性欲を持て余していて、毎晩、2回のマスターベーションでも解消できないほどだ。
困ったことにここ最近、身近な母親に女を感じてしまい、必然的に毎晩のオカズは瑞季の裸体となっていた。
瑞季がシャワーで頭を洗っている時を狙って、その裸体を覗き見ていたのだ。幸樹のスマホの中にはサイレントモードで撮り溜めた瑞季の裸体の画像が多く納められていた。
しかし、それをオカズにするのも我慢の限界だった。昨日はできなかったが、もし、この旅行がなかったら、今晩にでも寝室に忍び込んで犯そうと思っていたのだ。
悶々とした期間に比例して、幸樹の想いの深さは瑞季にあったが、瑞季とのセックスが叶わないのであれば、相手が瑞季以外の3人になってもそれはそれでもよかった。
特に一番若い恵子を望むが、さすがにそれは婚約者の新司が許さないだろう。
「ああ、君とやりたくて仕方がない女ばかりだからな」
「本当にいいんですか?」
「ああ、遠慮せずに犯して上げると悦ぶよ」
忠が何でもないといった感じでサラリと言った。
「オジサンは自分の奥さんが、ボクに犯されても平気なんですか?」
幸樹は信じられない気持ちで聞いた。
「その分、君のお母さんを犯すからお相子だ。ギブアンドテイクってやつだな」
「そ、それは…」
一瞬、母親が他人に犯されることに躊躇したが、直ぐに考えが固まった。この際、やれるならなんでも良かった。
「わかりました。ギブアンドテイクでお願いします」
幸樹はキッパリと言い切った。