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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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寝るのが惜しくて。
もしかしたら目が覚めたら夢なんじゃないかと怖くて。
私たちはずっと眠れずにいた。

「これから先。契約の事とか。
活動場所の事とか、いろいろあると思うけど。
それはゆっくりと二人で考えていこう」
「うん」

「俺、茜さんと約束したように有名になったよ。
トップピアニストの仲間入り、だって。褒めてよ」
生意気そうにそんなことを言う。

「ピアノの先生と何が違うのか素人には分からないわ」

キスをしてそう応酬する。

奏くんは笑って
「ほんの少しの違いだけど。俺はリサイタルするんだ」

私も笑って
「ピアノの先生だって発表会をするじゃないの。生徒さんと」

私のそんな言葉に笑いながら
「なるほど。違わないな。じゃぁ、俺のリサイタルにはギャラが発生する。
これはどう?」
「ん〜。明日の朝のパン代ぐらい?」

大笑いして私にキスをした。
「もうちょっともらえる」
「スタインウエイが買えるぐらい?」

さっき仕入れた情報を得意げに披露する。



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