事務員好きな男-13
健太郎が出勤し事務所に入りデスクにつき仕事を始めた。事務員は30分後に出社してきた。
「おはようございます。」
10人いる事務員が朝らしく爽やかな声と笑顔で挨拶して事務所に入って来た。やはり女性には華がある。雰囲気が一気に明るくなる。事務員達はまずデスク拭きなど掃除から始める。机を拭く者、 掃き掃除をする者、ゴミ捨てをする者、それぞれ役割分担で事務所を回る。その中で恵理は机を拭く役割だ。重役の机から拭いていき健太郎の机に近付いてきた。
「おはようございます。」
今まではどこか事務的な対応だったが、今日はどこかうっとりするような笑顔と優しい声で話しかけられたような気がする。
「お、おはようござます。」
緊張気味に返事した健太郎。
「失礼しますね?」
そう言って健太郎の目の前で机を拭き始めた。いつもの見慣れた光景だが、今までとは違うのは恵理の事務服の下に隠された肢体を知っている事であった。それに超淫乱な素性も知ってしまった。前屈みになり机を拭く恵理を見てバックから突きまくった昨夜の恵理の姿を思い出して興奮してしまう。
(こんな美人で素行のいい事務員が夜になるとあんなに淫乱になるんだもんなぁ…。)
思わず昨夜の事を色々と思い出してしまった。すると机を拭き終えた恵理が去り際に誰にも気付かれぬように健太郎の耳元で囁いた。
「朝からヌレヌレなの…」
「!?」
過激な発言に驚く健太郎にニコッと笑い隣の机に移動した。
(マジかー!!もしかして早くも今日、事務所プレイが出来るんじゃないのか!?)
事務所プレイでなくてもどこか人目のつかない社内で楽しい事が出来るのではないかと期待を膨らませてしまう。恵理の後ろ姿を見て朝からたまらなくなってしまう。
(あのお尻を抑え付けてバックからガンガン突きまくりてぇ!!)
早ければ午後辺りには最低フェラチオでもしてくれるんじゃないか、そう期待した。
しかし恵理が異変を見せ始めたのは昼休みが明けた頃からだった。それまで目が合うと思わせ振りな笑顔を見せていた恵理が急によそよそしく目線を外すようになったのだ。健太郎を避けるように仕事をしていた。
(どうしたんだろ、いきなり…)
不思議に思いながらも仕事をしていた健太郎。夕方になり全体的に仕事の余裕が出来た頃に、いきなり恵理が健太郎の横に立った。
「ゴメン、ちょっと書類探しを手伝ってもらってもいいかな…。」
「あ、はい?」
健太郎は恵理に連れられて書庫に入る。するといきなり振り向きざまに深々と頭を下げたのであった。
「丹野君、ごめんなさい!昨日の事はなかった事にして…?」
「え…?」
予想外の言葉に面食らう健太郎。どうして態度が急変したのか全く理解出来なかった。
「さっき彼氏からメールがあってもう束縛もしないし浮気もしないし私の言うことを何でも聞くからやり直してくれないかって言ってきたの…。」
そう言うことか…、健太郎は思った。
「もう一度プロポーズから始めたいって言われて、悩んだんだけど、やっぱり私、彼と結婚したいって気持ちに気付いたの。だからやり直そうって思って…。本当は丹野君にたくさん楽しい思いをさせてあげようって思ってたんだけど…。本当よ?でも結婚するのに私が背信行為をしちゃいけないって思って…。」
そんな事を言われて受け入れなかったらただの格好悪い男になってしまうと感じた健太郎。頭の中で恵理との濃厚なセックスをする日々の妄想を必死で壊しながら言った。
「そ、そう言うことなら仕方ないっす。分かりました。昨日の事は一生胸の中にしまっておきます。真中さん…、おめでとうございます。」
その言葉に恵理は健太郎の手を握りしめながら言った。
「ありがとう丹野君…!私も昨日の事は一生忘れない。あんな最高な夜はもう2度とないと思う。ごめんね?ありがとう!」
そう言い残して恵理は去って行った。
「何が忘れないだよ、あの淫乱ド変態ヤリマン女が。どーせまた浮気したくなってヤラれにくるくせによっ…。まぁお前の変態ぶりは俺のパソコンの中で永遠に生き延びるんだけどな。じゃあな、ヤリマン。」
悔しさを滲ませ仕事に戻った。
恵理はそれから一週間後に会社を辞めた。夢の事務所プレイを逃した健太郎の失望は大きかった。
「ほら、元気出しなよ。私が気持ち良くしてあげるからさぁ。」
健太郎は車の中で舞菜にしゃぶってもらい慰められていたのであった。